March 29, 2019 / 10:18 AM / a month ago

コラム:FRB幹部のツイストオペ想定発言、長期金利誘導につながる可能性

[東京 29日 ロイター] - 最近の米連邦準備理事会(FRB)幹部の発言を詳細にみると、金融政策の枠組み変更につながる議論が進行しているようだ。その中には、将来のツイストオペを想定し、事実上の長期金利誘導につながる意見も出ている。FRBが長期金利誘導に踏み切れば、「元祖」である日銀のイールドカーブコントロール(YCC)政策にも改めて注目があたり、日銀の新たな選択肢の検討にも影響を与えるかもしれない。  

 3月29日、最近の米連邦準備理事会(FRB)幹部の発言を詳細にみると、金融政策の枠組み変更につながる議論が進行しているようだ。写真はFRBのビル、ワシントンで19日撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)

FRBのパウエル議長は20日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、必要に応じ、バランスシート戦略をさらに調整するとの見解を示した。

この発言は当初、保有国債の縮小ペースを5月から減速させるとしたFOMCでの決定の影に隠れ、あまり注目されなかった。

しかし、フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁が26日、保有債券の残存期間を短くして、景気刺激策を打つ際に対応できるようにしたいと発言し、注目度が上がってきた。

ハーカー総裁は「保有資産の年限短期化という全体的なコンセンサスは、あると思う。それは時間をかけてオプションを買うことで、もしふたたびツイスト(オペ)のようなプログラムを実施しなければならなくなった場合でも、そのオプションがあることになる」と述べた。

回りくどい言い方だが、FRBが2011年、金利引き下げと景気刺激効果を狙い、短期債を売って長期債を買うツイストオペを実施したように、将来、ツイストオペの実施が選択肢になり得ると説明したと受け止められた。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁も26日、FRBは、景気低迷時の選択肢を増やすため、保有資産における短期国債の割合の引き上げを検討すべきだとの考えを示した。

そのうえで景気後退(リセッション)時に金利はゼロ近辺の下限に達する可能性が高く、資産買い入れが選択肢になると指摘した。

ツイストオペの実施によって、長期金利を押し下げることが可能になれば、企業の資金調達コストと個人の住宅ローン金利などの低下によって、国内需要を刺激することが可能になり、短期金利の利下げ余地が小さい中では、有力な選択肢の創出になる。

この長期金利の押し下げは、日銀が行っているYCCとは、非常に近接しており、FRBが長期金利コントロール政策に踏み出す可能性もあるだろう。そうなれば、「元祖」である日銀のYCC政策に対し、世界の中銀ウオッチャーの関心が集まる展開も考えられる。

さらにFRBでの議論が深まれば、日銀のYCC政策を「進化」させるヒントも出てくるのではないか。

いずれにしても、FRBの金融政策の枠組みや手法に関する議論は、主要な中銀の政策だけでなく、市場環境にも影響を与えそうだ。

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