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コラム

コラム:パウエルFRB議長、大統領選がどう転んでも盤石

[ロンドン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、大統領選でトランプ大統領とバイデン前副大統領のどちらが勝っても、その地位は恐らく盤石だろう。パウエル氏は今後数年にわたり、超緩和的な金融政策を続ける見通しなので、トランプ氏であれバイデン氏であれ、パウエル氏を再任しやすくなる。

11月4日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長(写真)は、大統領選でトランプ大統領とバイデン前副大統領のどちらが勝っても、その地位は恐らく盤石だろう。ワシントンで開かれた記者会見で3月撮影(2020年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ氏は以前、パウエル氏に対して常に不満をぶつけ、他国の方が金利は低く、それに比べてFRBの政策がやや引き締め的なことが米経済を抑え込んでいるとの主張を繰り返していた。ところが新型コロナウイルスのパンデミックが起きると、トランプ氏のこうした批判はぴたりとやんだ。それもそのはずで、パウエル氏をはじめとするFRB首脳部は政策金利をゼロ付近まで引き下げるとともに、金融市場安定化の措置を講じ、経済が受けるダメージを最小限にとどめる努力を続けてきたのだ。

バイデン氏も、FRBの新型コロナ対応に文句を言わないだろう。そして同氏が当選すれば、トランプ氏が財務省その他経済関係の政府機関に起用した多くの幹部を更迭したいと考えるかもしれないが、無用の混乱を避ける上で残せると判断した人材は手を付けずに置く必要が出てくる。

同時に次期大統領は、パンデミックで痛手に見舞われた失業者や企業を救済するために大規模な政府支出を迫られることから、借り入れコストを確実に低水準にとどめるにはFRBの手助けがどうしても欠かせない。

財務省によると、9月末までの年度の財政赤字は3兆1000億ドルと、それまでの過去最悪水準の2倍超に膨らんだ。議会予算局の見積もりでは、公的債務の対国内総生産(GDP)比は9月段階で98%に達し、2050年までに200%に迫ってもおかしくない。FRBとしては、市場が消化しきれなくなる事態を防ぐため、国債買い入れをさらに拡大しなければならないのではないか。

かつての共和党は財政規律を重視したが、今の環境からするとトランプ氏でさえ、「現代貨幣理論(MMT)」に好意を示すかもしれない。これは、成長押し上げと雇用創出を目的とするなら、政府はいくらでも紙幣を増発し、支出をするべきだという考え方で、既にバイデン氏はある程度の信奉者と言える。7月に110ページにおよぶ政策提言を公表したバイデン陣営とサンダース上院議員などの合同チームの一員に、MMT提唱者のステファニー・ケルトン氏が名を連ねているからだ。

民主党政権が誕生した場合、FRBがトランプ氏と相いれなかったある分野、つまり人種差別是正で協力できる。バイデン陣営とFRBはいずれもこの問題を政策課題に掲げ、パウエル氏は、FRBが経済をより活気付け、より長く拡大させることで、これまで不遇だった黒人や他のマイノリティーの労働者の生活改善につなげる意向を示している。

これこそFRBが採用する新しく非常に強力な経済支援モデルで、トランプ氏もバイデン氏も修正しようとは思わないだろう。

●背景となるニュース

*トランプ大統領は4日、大統領選の開票作業の途中にもかかわらず、一方的に勝利したと主張した。残る幾つかの州で集計が完全に終わるまでまだ数日かかる見通し。

*米財務省は10月16日、連邦政府の9月末までの2020会計年度の財政赤字が3兆1000億ドルだったと発表した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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