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米FRB、11月にも緩和縮小開始:識者はこうみる

[東京 24日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が21─22日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、早ければ11月にもテーパリング(量的緩和の縮小)に着手する可能性があるとの見通しを示した。市場関係者に見方を聞いた。

9月24日、米連邦準備理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で、早ければ11月にもテーパリング(量的緩和の縮小)に着手する可能性があるとの見通しを示した。写真は米FRBで2020年5月撮影(2021年 ロイター/Kevin Lamarque)

●米金利ゆっくりと上昇 年末までに1.5%中心のレンジに

<アセットマネジメントOne 運用本部 ファンドマネージャー 鳩野健太郎氏>

9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)については、市場が考えていた米国非農業部門雇用者数(NFP)のハードルを明らかに避けたことが一番大事なポイントだとみている。今後の米金利の動きについては、低下しないが上昇方向もゆっくりだとみている。

市場参加者のポジションニングは金利上昇方向をみており、だいぶ前からショート回転になっている。FOMCにかけてスティープニングサイドにあったが、FOMC後はポジションニングのスクイズが起きたとみている。米利上げ相場の場合、米連邦準備理事会(FRB)が複数回利上げを行うことから、市場は「ビハインド・ザ・カーブ」に織り込んでいく。このため、イールドカーブはフラットニングしていく。

テーパリングの完了時期が来年の6月または7月となると、利上げは早くても8-9月になり、1年間の期間がある。長期金利がダイレクトに上昇するのは利上げが始まってからだとみており、年末までに米10年債利回りは1.5%を中心としたレンジになるのではないか。

円債については、 7月に海外金利が低下する中で、10年債のゼロ%以下を買い進める動きが乏しく、相対的に出遅れていた。その影響もあり、4-6月対比でみると海外金利との感応度が鈍い。

ただ9月に入り、市場参加者はある程度金利上昇に備えていたとみられ、米金利に先んじて円金利は上昇していた。ここからの金利上昇については、米金利の後追いになるとみている。

7-9月期対比でレンジは切り上がるとみており、切り上がったレンジ内でのもみ合い相場となるのではないか。10年以下の金利は上昇余地が限定的とみられ、10年金利については0.05%を挟んだレンジで推移すると想定している。一方、超長期債については時期的な要因もあるが、反応が鈍い。来月にかけて、一旦安値圏をトライする動きになるのではないか。

中国恒大集団の債務問題については債券市場への影響はほぼないとみている。金融政策と瞬間的な需給を反映したレンジ内での売買の材料になる可能性はあるが、中国恒大集団の債務問題による影響で米国の利上げが遅れるような想定はしていない。

*2段落目の説明を補足しました

●ドルは111円台を目指す、12月にテーパー開始も

<FXcoin 取締役 上田眞理人氏>

今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)については、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長らしい、バランスの取れたものだったとみている。

テーパリング(量的緩和の縮小)については、11月にも着手する可能性があることを示すと同時に、米経済が健全である証として、2022年には利上げが必要であると表明した。

個人的には、11月にテーパリングの詳細を発表し、12月にテーパー開始、来年の終盤に利上げという流れを想定する。

米国経済がテーパリングも利上げもを許容できるほど健全ということであれば、世界の投資家もドル資産の購入に動きそうだ。

結果的に、目先ドルは111円台を目指す展開を予想する。

●海外懸念要因後退し日本株の強さ浮き彫りに

<東海東京調査センター シニアストラテジスト 中村貴司氏>

現在の相場を考えると、国内要因は買い材料として強力で、日本株のモメンタムは世界の主要市場の中で最も強いのは疑いがない。そうした中で、米国の金融政策や中国恒大集団3333.HKの債務問題などが懸念されて株価は大きく下押した訳だが、FOMC(連邦公開市場委員会)によって、テーパリングと利上げがリンクしないと市場は受け止めた一方、恒大集団については最悪でもソフトランディングの方向で動くと読めるようになったことで、海外の懸念要因は後退。そうなると国内要因に関心が向くため、日本株の強さが浮き彫りにされる形になる。

日本株の強さが際立ってくると、内外機関投資家も買わざるを得なくなるほか、上半期末を控えて、目先は配当の権利取りと再投資が意識されるようになり、需給の好転も見逃せない。月末にかけて、日経平均は14日の取引時間中に付けた年初来高値3万0795円78銭を、TOPIXは2100ポイントの回復を目指す動きになりそうだ。

●米金利上昇で先物中心に売り、長期金利は0.1%届かず

<モルガン・スタンレーMUFG証券 エクゼクティブディレクター 杉崎弘一氏>

9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果はタカ派的に映った印象だ。11月のテーパリングのタイミングについては市場予想通り。一方、ドットチャートをみると、2022―23年、2023―24年に3回ずつの利上げが中央値として織り込まれていた。2023年までは市場と米連邦準備理事会(FRB)の中央値は同じようなプライシングだが、2023-24年については市場の織り込みがあまい。FRBの見方に徐々に寄っていくとみられ、中期ゾーン中心に金利上昇しやすくなる。   

パウエルFRB議長はテーパリングと利上げのハードルは別物としていたが、テーパリングの完了見込みが2022年半ば、2022年内の利上げをほぼ半数の委員がみていることから、市場はツイスト・フラットで反応した。短いゾーンが売られる一方、タカ派的なプライシングによるリスクセンチメントを気にして、長いところが買われた。

1日置いて米金利が急上昇したが、FOMCの結果ではなく、中国恒大集団の債務問題への過度な警戒が後退したことだとみている。オフショア債の利払い期限が23日だったが、中国当局からデフォルト回避の指示が出たなどの報道が好感され、リスクセンチメントが改善された。

米金利の中央値は切り上がり、レンジも1.3ー1.6%に上方修正されていくとみている。円債もこの動きにつれて、先物を中心に売られていく。ただ、円金利の米金利に対する感応度は鈍い。このため、10年債利回りは0.1%には届かないのではないか。一方、超長期ゾーンについては投資家の押し目買いに支えられ、カーブ形状はベアフラット化していくとみている。

*説明を補足しました

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