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新日本監査法人に課徴金21億円・新規契約停止3カ月、金融庁命令

 12月22日、金融庁は、東芝の監査を担当してきた新日本監査法人に対し、公認会計士法に基づいて21億円の課徴金納付命令を出した。写真は金融庁の看板、都内で2012年6月撮影(2015年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 22日 ロイター] - 金融庁は22日、東芝6502.Tの監査を担当してきた新日本監査法人に対し、公認会計士法に基づいて21億円の課徴金納付命令を出した。併せて、新規契約に関する業務について3カ月間停止するよう命じたほか、業務改善命令も出した。

金融庁は、新日本監査法人の7人の会計士が「東芝の2010年3月期・12年3月期・13年3月期の監査において相当の注意を怠った」と指摘。重大な虚偽のある財務諸表であるにもかかわらず、重大な虚偽のないものとして証明したと認定した。

15日の公認会計士・監査審査会の行政処分勧告で、同監査法人の業務運営が著しく不当であると指摘されたことも踏まえ、同法人に対して一部業務停止命令と業務改善命令を出した。

東芝の監査を担当してきた7人の会計士は、それぞれ6カ月から1カ月の業務停止処分となった。金融庁は、当該会計士が東芝のガバナンス体制を過信していたことに加え、東芝を長く担当するなかで会計士として求められる「職業的懐疑心」がなくなっていた、と指摘した。

金融庁の具体的な事実認定では、2010年3月期・12年3月期・13年3月期のパソコン事業において、毎四半期末月の製造利益がほかの月に比べて大きくなったり、四半期末月の製造原価がマイナスとなる「異常値」を監査の担当者が認識したにもかかわらず、東芝サイドに確認して得た回答を監査調書に記載するだけで、チーム内で情報共有することがなかったとされた。

また、12年3月期・13年3月期の半導体事業では、監査チームが前工程と後工程の原価差額の調整が当然に行われていると勝手に思い込み、確認を怠ったなどと認定した。

事実認定の結果、金融庁は、特に東芝の2012年3月期と2013年3月期の財務書類について、新日本監査法人の監査に「より重い態様の顕著な注意義務違反が認められた」と判断。2期分の監査報酬に相当する約21億円を課徴金額とした。

東芝は22日、新日本監査法人から2017年3月期の監査契約を締結しない旨の申し出があったと発表した。同社は後任の会計監査人について、複数の候補を選定して検討を進めているという。

*内容、カテゴリーを追加して再送します。

和田崇彦

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