[ロンドン 24日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)交換大手バイナンスは、米司法省が先週、不正送金に関与した疑いで共同創業者を訴追した同業ビッツラートとの間で約3億4600万ドルのビットコインを取引していた。ブロックチェーン分析企業チェイナリシスがまとめたデータをロイターが確認して分かった。
データによると、バイナンスは2018年5月からビッツラートが閉鎖された先週までの間に、合計およそ20万5000件の取引を通じて2万ビットコインを動かしていた。
米財務省金融犯罪取り締まりネットワーク(FinCEN)は先週、18年5月から昨年9月までのビットコイン受取額で判断すると、バイナンスはビッツラートの取引相手トップ3の一角を占めていたと明らかにした。
訴追されたビッツラート共同創業者は中国在住のロシア人アナトリー・レグコディモフ被告。米司法省の説明に基づくと、無認可の為替業務を通じて犯罪に関係する7億ドルの不正な送金を行うなど、マネーロンダリング(資金洗浄)の組織運営に従事していたという。
FinCENは、香港に拠点を置くビッツラートはロシアの不正な金融取引に関係する主要なマネーロンダリング組織だと指摘し、2月1日から米国やその他の金融機関がビッツラートに送金するのを禁止するとしている。
バイナンスの広報担当者は電子メールで、国際的な法執行機関によるビッツラートの捜査にこれまで相当な助力を提供しており、今後も当局に協力すると表明。ただ具体的な協力内容や、ビッツラートとの詳しい取引内容は示していない。
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