[10日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)ビットコインの先物とビットコイン上場投資信託(ETF)の取引量が足元で急増している。暗号資産交換業者FTXの流動性危機をきっかけとした今週の仮想通貨急落を受け、投資家があわててヘッジ取引に動いているためだ。
10日のCMEビットコイン先物11月きりの出来高は 1624GMT時点で1万3292枚。8日と9日はそれぞれ4万8554枚と3万2168枚だった。過去2カ月が4902─2万7309枚で推移していただけに、大きく膨らんだ様子が分かる。
CMEのビットコイン先物の弱気見通しに賭けるプロシェアーズ・ショート・ビットコイン・ストラテジーETFの出来高も9日に過去最高を記録。プロシェアーズ・グローバル・インベストメントのストラテジスト、シメオン・ハイマン氏は、投資家が「規制に守られた透明性のある先物市場」を必死に探し回っていると指摘した。
ノルウェーに拠点を置く暗号資産調査会社のアナリストは「ヘッジをしたいという圧倒的に強力で足並みのそろった欲求があり、現段階ではレバレッジ投資の主流が売り持ちになっている事態がうかがえる」と述べた。
コイングラスによると、ビットコインの主要デリバティブの1つ、パーペチュアル契約の調達レートは10日にマイナス0.0219%となった。マイナスのレートは、投資家が売り持ちポジションを維持するために対価を支払う必要があるという面で、市場心理が弱気に傾いていることを意味する。
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