October 26, 2018 / 9:17 AM / 22 days ago

焦点:日銀、金融政策維持へ 貿易摩擦・市場変動などリスク警戒

[東京 26日 ロイター] - 日銀は30、31日の金融政策決定会合で現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和政策の維持を決める見通し。会合では、激化する米中貿易摩擦や不安定化している金融市場の動向などが世界・日本経済に与える影響について活発な議論が展開される可能性が大きい。日本経済の先行きリスクは拡大しているものの、新たに示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、経済成長率(実質GDP)と消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)の見通しに大きな変化はなさそうだ。

 10月26日、日銀は30、31日に開く金融政策決定会合で現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和政策の維持を決める見通しとなっている。日銀本店で2016年3月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino/File Photo)

足元の日本経済は夏場に相次いだ台風や地震など自然災害の影響で、輸出や生産に下押し圧力がかかっており、市場の一部では7─9月の実質GDPがマイナスに沈む可能性も指摘されている。

もっとも、災害からの復旧が急ピッチで進む中、訪日外国人客(インバウンド)の消費が回復基調にあるとともに、挽回生産も活発化しており、日銀内では自然災害の経済への影響は一時的との見方が多い。

一方で不透明感を強めているのが激化する米中貿易摩擦と金融市場の動向だ。米中貿易摩擦は、現時点で日本企業の活動や業績への直接的な影響は限定的にとどまっているものの、問題の長期化が企業心理に影響を与え、好調な設備投資を抑制する動きにつながらないか、日銀では動向を注視している。

貿易問題も一因とした米国株式市場の変動を受け、26日の東京市場では日経平均株価が一時2万1000円を割り込み、約7カ月ぶりの安値をつけた。市場にリスクオフ・ムードも強まりつつある中、会合では、これらの先行きリスクの強まりについて、重点的に議論が行われる可能性が高い。

<経済・物価見通し、大きく変わらず>

もっとも、足元までの内外需要は好調さを維持。物価の足取りは引き続き鈍いものの、9月の全国コアCPIは前年比1.0%上昇とプラス幅が拡大した。日銀内では経済・物価は「シナリオに沿った動き」(幹部)との見方が多く、展望リポートにおける実質GDPとコアCPIの見通しに大きな変化はなさそうだ。

前回7月の同リポートにおける実質GDP見通しは18年度が前年比1.5%増、19、20年度が同0.8%増、コアCPIは18年度が同1.1%上昇、19年度が同1.5%上昇、20年度が同1.6%上昇だった。

会合では、金融緩和長期化の副作用についても、引き続き議論が行われる見通し。

日銀が22日に公表した「金融システムリポート」では、日本の金融システムの現状について、あらためて「安定性を維持している」との判断が示された。一方、地域金融機関を中心に収益力の低下傾向が継続し、時間の経過とともに副作用が蓄積している実態も浮き彫りになった。

それでも現時点で金融機関は充実した自己資本を有し、積極的な貸し出し姿勢にも変化はみられておらず、日銀では「直ちに政策対応を迫るものではない」(別の幹部)との立場だ。

また、7月会合で決めた長期金利の変動幅拡大を容認する措置などの効果についても会合で点検する。その後の長期金利動向は、米金利や株・為替市場などの変動をある程度反映した動きになっていることもあり、日銀内では、市場機能に一定の改善がみられているとの評価が多い。

政策委員はこうした経済・物価・金融情勢における先行きリスクの強まりを意識しながらも、現状は日銀の見通しに沿って経済・物価情勢が推移していると判断しており、会合では現行の金融政策を粘り強く続けていく方針が確認される見通しだ。

伊藤純夫 清水律子 編集:石田仁志

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