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FOMCは金利据え置き、年2回の利上げなお想定:識者はこうみる
2016年6月15日 / 22:57 / 1年後

FOMCは金利据え置き、年2回の利上げなお想定:識者はこうみる

[15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は15日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定した。ただ、労働市場は再び力強さを増すとの見方を示し、年内2回の利上げを実施するとの姿勢は維持した。市場関係者の見方は以下のとおり。

 6月15日、米連邦準備理事会(FRB)は開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定した。写真はイエレン議長(2016年 ロイター/Kevin Lamarque)

●もう一度経済指標を見直す方向

<JPモルガン証券 チーフ債券ストラテジスト 山脇貴史氏>

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の会見は、ハト派という印象を持つ。

4月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で6月の利上げもあるとのトーンが出ていたため、マーケットでは早期利上げへの警戒感が浮上していた。

今回のFOMCで仕切り直しという感じになった。もう一度経済指標を見直す方向になったと受け止めている。年内の利上げペースは緩やかになるということだろう。この流れを受けて、米債利回りは低下基調になっている。

●成長見通し引き下げ、利上げあっても余地少ない

<上田ハーロー 外貨保証金事業部長 山内俊哉氏>

ドル/円は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて瞬間的に下落したが、その後、買い戻しが入った。米国の年内の利上げは1回、場合によってはなしとみる向きが多い中、「ドットチャート」で年2回の想定が維持されたことが効いたとみられる。

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は利上げを急がない姿勢を示したが、英国が欧州連合(EU)に残留し、6月分の雇用統計がそこそこの数字となれば、状況次第で7月に利上げする可能性がある。

イエレン議長の発言を総合すると、9月くらいには利上げしたいという考えがあるという印象だが、一方で、成長見通しも引き下げられていた。利上げはするものの、上げ余地はそれほどないという受け止めが広がるのではないか。

きょうは日銀の金融政策決定会合がある。英国民投票への不透明感があり、追加緩和は見送られそうだ。一部、追加緩和の期待があるようなので、現状維持の場合は失望の円買いとなる可能性がある。前日安値105.41円を割り込んで105円方向に走る可能性もあるが、為替介入に対する警戒感から、きょうのところは104円台に突入することはないだろう。

今後は、英国の国民投票に関心が集中する。残留となった場合、リスク回避で買われた円が巻き戻されて、ドル/円は108─109円程度まで上昇する可能性がある。一方、離脱となった場合は、英ポンドが売られやすい。ドルと円は両方買われるが、リスク回避の際は円の方が買われやすいため、ドル/円は下方向に動きそうだ。瞬間的に100.50円程度までの下落があってもおかしくはない。

●慎重な内容、円高止まりで日本株の重しに

<大和証券 シニアストラテジスト 石黒英之氏>

今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、米連邦準備理事会(FRB)内に慎重な見方が広がっていることが示された。前回、年内1回の利上げ予想を示したのは1人だったが、今回は6人に増えたほか、2016年、17年の成長率見通しも下方修正されている。米経済は弱いというところまでは言えないが、力強さに欠けている印象だ。

先々の金利見通しが引き下げられたことでドルは買いにくくなり、円は高止まりを余儀なくされるだろう。結果的に日本株の上値を押さえそうだ。とはいえ、ドル安を加速させる内容でもない。引き続き米経済指標を確認しながら利上げ時期を探る展開が続く。

●利下げ以外で最大限のハト派姿勢強調

<ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオストラテジスト、ブライアン・ジェイコブソン氏>

利下げ以外で最大限のハト派姿勢を示した格好だ。米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁も反対票を撤回した。金利軌道の見通しが引き下げられ、大きなハト派シグナルとなった。

●金利見通し、極めて劇的に変化

<クレディ・アグリコルの世界金利戦略部門責任者、デビッド・キーブル氏>

ドット・プロットは、2018年のフェデラルファンド(FF)金利見通しの中央値が60ベーシスポイント(bp)と大幅に低下した。非常にハト派的な事態の展開で、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明などの大半の要素を占めた。4月から現時点まで、データが大きな変化を示したのは、非常に弱い5月雇用統計だけだったことを踏まえれば、金利の道筋が変わったのは極めて劇的だ。

●7・9月利上げの可能性ある、タイミングが焦点

<OANDAのシニア市場アナリスト、アルフォンソ・エスパルサ氏>

おおむね予想通りだった。経済見通しでは2017─18年の金利見通しが引き下げられ、それほど大きな自信がないことが示された。個人的には7月、もしくは9月の利上げの可能性は残っていると考えているが、FRBから強い示唆は得られなかった。

景気はまちまちとなっていることは利上げの可能性に対する確信がなお存在していることを示しており、利上げに踏み切るタイミングがFRBにとり最大の焦点となっている。

●大統領選後の11月利上げの可能性

<ケンブリッジ・グローバルペイメンツ(ニューヨーク)のシニア市場アナリスト、スティーブン・ケーシー氏>

かなりハト派的な声明だった。連邦準備理事会(FRB)は国内情勢については大きく懸念していないようだが、外部要因については用心深く見守る姿勢を示し、ハト派に転じた。

11月の米大統領選挙後に利上げに動く可能性がある。11月利上げの確率は35─40%と見ている。

●金融政策すべてやり尽くす、据え置きの有効性低下

<リッジワース・インベストメンツの資産配分部門幹部、アラン・ゲイル氏>

決定が全会一致となったことが興味深い。英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う来週の国民投票や、予想を大きく下回った5月の雇用統計を背景に生じた不透明な状況が米連邦準備理事会(FRB)の判断に影響し、状況の推移を見守ると全会一致で決めた。

(金融緩和は株式・債券相場を)緩やかに下支えすると思うが、金融政策でできることはすべてやり尽くしたという見方が強まっていると信じる。こうした政策据え置きの動きは、有効性を失いつつある。

●年内1回の利上げ予想重要

<チャールズ・シュワブのトレーディング・デリバティブ部門責任者、ランディー・フレデリック氏>

第一印象はそれほど驚く内容でなく、反応がかなり抑制的だったことを踏まえれば、市場もさほど驚いていない。まったくうろたえていない。

非常に重要な点は、年内1回の利上げが適切と考えた投票メンバーが6人いたことだ。私自身、そのような見方をとる。仮に米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が、2回行うというこれまでの見方にこだわっていれば、市場は否定的に反応した可能性がある。

●声明とドットチャート、共にハト派的

<BMOキャピタルマーケッツ(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏>

ハト派的だった。ドットチャートもハト派的なメッセージを発している。

このところの状況や、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐるリスクのほか、インフレ期待の一部弱含みなどを踏まえ、市場ではFRBはトーンを若干和らげるとの見方が出ていた。

全般的に見てハト派的な声明だった。

●特定のシグナル感じられず

<ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(HFE)の首席米国エコノミスト、ジム・オサリバン氏>

連邦準備理事会(FRB)当局者は年内に再び引き締めるとみられるが、一部の当局者は引き締め姿勢を弱めた。当局者らは低調だった雇用統計について、軽視するようなこともあまり発言していない。どのようなイベントであれ、慌てているようには感じられないものの、特定のシグナルもあまり感じられない。

●3年後も利上げ局面の終了想定せず

<ノムラの米金利戦略部門責任者、ジョージ・ゴンカルベス氏>

残りの米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の回数から、年内2度の利上げの可能性は残るが、バイアスは1度の利上げに傾いているようだ。

より重要なのは、長期的な金利見通しの引き下げで示されたハト派姿勢だ。2018年の中央値は3月時点の3%から2.375%に下がった。これは3年経っても、利上げ局面を終えていないことを示唆しており、かなりハト派的なメッセージだ。

●これ以上の積極性低下は想像しがたい

<バークレー・ハイツ(ニュージャージー)のシニア・マーケット・ストラテジスト、ピーター・ケニー氏>

これ以上積極性が弱まるとは想像しがたい。世界的な逆風が見通しの下方修正につながったことは明白だ。

声明にサプライズがあったとは思っていない。市場の予想通りだった。

*内容を追加しました。

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