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焦点:米利上げにらみドル/円上値試し、リスクは一段の原油安

[東京 22日 ロイター] - 来年のドル/円JPY=は、米国の利上げペースに対する思惑で揺れそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの金利見通しから示唆される年4回に市場の予測が近づいていけばドル高、逆にペースが緩やかになるとの予測が広がればドル安になるとみられている。

 12月22日、来年のドル/円は、米国の利上げペースに対する思惑で揺れそうだ。都内で2009年11月撮影(2015年 ロイター/Yuriko Nakao)

国際商品市況が低迷するなか、為替市場はリスク回避姿勢を強めており、原油価格の持ち直しがみられるかどうかも注目ポイントだ。

市場参加者の見方と予想レンジは以下の通り。

●ドルは135円視野、2回目利上げ後は緩やかな上昇に

<野村証券 チーフ為替ストラテジスト 池田雄之輔氏>

ドル/円は135円への上昇があるだろう。3月に米国で利上げがあれば、これまで2回目の利上げはできないとみていた人々がシナリオ変更を迫られドル買いに動き、130円まで急上昇する余地がある。需給も円安を支援する。経常黒字を年間20兆円とみても、直接投資や年金、投資信託から計30兆円超の円売りが見込まれる。もっとも、2回目利上げ以降のドル/円は上昇ペースが緩やかになる。来年度は年金の円売りが和らぐほか、3月利上げで先行きまで織り込まれる結果、その後の追加利上げでも米金利は上がりにくくなる。

ドル/円予想レンジ:120─135円

●ドル高・人民元高の構図崩れ、ドル/円の下値リスク顕在化も

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

リーマン・ショック後、ドル高と人民元高により日欧や新興国等を支援する構図は、8月の人民元切り下げにより中国が一抜けを図ったことで崩壊したとみている。米国は資源国以外の面倒は見きれず、為替市場ではこれまでに累積したドルロングの巻き戻しが進展し、今後ドル/円の下値リスクが高まる可能性がある。

米利上げのペースについては、今年9月に世界経済の不透明感を理由に利上げを延期したことからみても、米国単体で決められることではない。FOMCメンバーの金利予想は、外部環境が許せば、最大4回実施するとの意味で、中国や新興国・資源国のリスクが顕在化すれば、利上げの回数は減っていく。

日銀やECBは、サプライズを伴う金融緩和で株高・通貨安を演出してきたが、足元では、市場の過剰な期待が現実の政策を凌駕(りょうが)し、その後の失望を招くようになり、手詰まり感が否めない。ここ3年続いてきた為替市場の建て付けが変わることになるだろう。

ドル/円予想レンジ:110―125円

●日米金融政策の方向性の違い意識、株価堅調ならドル130円超目指す

<マネースクウェア・ジャパン シニアアナリスト 山岸永幸氏>

ドル/円は日米金融政策の方向性の違いから緩やかな上昇となる公算が大きく、131円程度まで上値を伸ばす可能性がある。連動性の高い日経平均株価の方からアプローチすると、チャート上では、89年高値(終値ベース)と、09年安値(同)の半値戻しにあたる2万2985円が日経平均の次の上値めどになる。好条件が揃い、日経平均が2万3000円付近まで上昇すれば、ドル/円は131円程度までの上昇が正当化される。

一方、ドル/円の下値は120円をめどにしておきたい。安いドルを調達したい参加者が多く、下がったところではドル買いが入りやすい。突発的にリスク回避姿勢が強まれば118円付近までの下落もありそうだが、そこから円高方向に進む可能性はそれほど高くないだろう。

ドル/円予想レンジ:120─131円

●中国配慮で米金利の上昇余地は限られる、円安にはなりづらい

<SMBC日興証券 シニア金利ストラテジスト 野地慎氏>

米利上げのペースをめぐるFOMCメンバーと市場の見方にかい離が残る中、最近の為替市場では、ドル高/人民元安という新たなテーマが浮上しつつある。

中国は消費を軸とした経済回復を目指しているが、老齢化が加速する中での内需拡大は容易ではない。そこで株価維持と外需に頼る政策となり、対ドルで緩やかな人民元安を容認している。しかし、人民元安は中国を貿易相手とする新興国の株安や通貨安につながりやすく、自国通貨安を抑制するための新興国のドル売り介入は、米国債の需給を緩和し米金利低下を促す。また、人民元安は中国の購買力の低下を意味し、資源国のみならず米国経済にもマイナスとなる。

以上から、FOMCが想定するほど頻繁な利上げは実現せず、利上げにセンシティブな米5年国債利回りUS5YT=RRは、来年末も現在と同水準にとどまると予想する。日本国債の金利も横ばいと仮定すれば、日米金利差は拡大せず、円安にはなりづらいだろう。

米5年国債利回り(2016年末時点):1.6―1.7%

為替マーケットチーム 編集:伊賀大記

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