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米FOMCは6月利上げに道、急がない姿勢も:識者こうみる
2016年4月27日 / 19:41 / 2年後

米FOMCは6月利上げに道、急がない姿勢も:識者こうみる

[27日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は27日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25━0.50%に据え置くことを決定し、追加利上げは見送った。

4月27日、米FRBはFOMCでFF金利の誘導目標を0.25━0.50%に据え置くことを決定し、追加利上げは見送った。写真は2012年4月、ワシントンのFRBビル前で撮影(2016年 ロイター/Joshua Roberts)

FRBは経済見通しに対する信頼感を表明し、6月に利上げを実施する可能性に道を残した格好となったものの、声明では利上げは急がないとの姿勢も示した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●利上げ織り込み進まず、ドル/円上値重い

<あおぞら銀行 市場商品部部長 諸我晃氏>

世界経済のリスクに関する文言が削除されたことは前向きといえる。ただ、米国の成長減速が示唆されており、利上げ期待への影響は変わらない。米金利が下がり、株価が上昇した相場の反応を見ても、6月利上げの織り込みも進まなかったようだ。

ドル/円のトレンドは、ドル売りの基調が継続し、上値は重そうだ。ただ、さらにドルを売るような材料もなかった。あまり状況は変わらないようだ。今後は、日銀の金融政策や日本の財政政策といった円サイドの要因に焦点は移ってくる。

米国外の懸念材料は後退したが、米国内要因はまだら模様で、今後のデータ次第とはいえ利上げは急がないということだろう。

次の利上げは、データ次第ではあるが足元では9月とみている。大統領選が近づくため、9月は見送り12月という線もあり得るが、いずれにせよ、年内1回にとどまりそうだ。

●国内重視転換に驚き、FRBはどっちつかず

<ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツ(ニューヨーク)のシニア外為トレーダー兼市場アナリスト、スティーブン・ケイシー氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)声明の文面を一べつすると、ややタカ派色がうかがえたが、予想通りノンイベントだった。外的影響に関する記述の大半を削除し、国内経済に再び焦点を戻したことは、確かに一定のサプライズと言える。ただ、このことは連邦準備理事会(FRB)の信頼性に関わる事柄だ。毎回の会合でFRBは非常にどっちつかずの状態だ。

●6月利上げ示唆する文言なし

<ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブソン氏>

3月の声明と比較すると、幾分楽観的な内容となった。米連邦準備理事会(FRB)は引き続き海外情勢を注視しつつも、差し迫った懸念は若干後退していることを示している。

声明では「リスク」に関する言及がなかったほか、昨年10月の声明で12月の利上げを示唆したようなシグナルとなる文言は今回の声明には含まれていない。

FRBが引き続き「様子見」姿勢を維持していると考える。インフレ率がそれなりに上昇しない限り、6月の利上げは時期尚早の可能性がある。私は6月利上げの公算は極めて小さいと考えている。

●6月利上げの確率高まった可能性

<チャールズ・シュワブのマネジング・ディレクター・オブ・トレーディング&デリバティブズ、ランディ・フレデリック氏>

害のない内容だ。海外の経済動向に少々言及はあったものの、概ね予想通りの内容で、何らサプライズはなかった。そのため発表直後の市場の反応も薄かった。相場はその後、やや上向きつつあるようにみえる。

6月利上げが引き続き検討されていることに疑問の余地はない。むしろ6月利上げの確率は高まりつつあり、FOMC声明を受けてその確率はさらに高まったと考える。

●リスク注視の文言挿入でタカ派トーン抑制

<RBCキャピタル・マーケッツの米経済担当首席エコノミスト、トム・ポーセリ氏>

今回の焦点は、世界リスクへの言及を削除する一方で、引き続き注視するとした表現を挿入した点だ。リスクをめぐる文言を削除したことで、確かにタカ派的な色合いがやや強まったが、年内利上げの可能性を残すには必要だったのだろう。市場は反射的にタカ派的と受け止めつつ、挿入された文言を消化するに伴い、タカ派的な反応が薄れると予想する。

●利上げペースの過度な加速、市場はマイナス評価へ

<グレンミード(フィラデルフィア)の投資戦略ディレクター、ジェイソン・プライド氏>

米連邦準備理事会(FRB)は引き締め策を続けるだろう。年内の利上げは1回か恐らく2回とみている。引き締めサイクルのスピードが予想以上に鈍いのは、中国やエネルギー業界の弱含みで、景気に最近、ぜい弱さがみられるなどして、長期の経済成長ペースが鈍い見通しを反映している。

雇用情勢が改善するため、引き締めは鈍いペースながらも続く。(雇用改善はFRBの)責務を部分的に満たすが、一部の労働市場が結果として引き締まれば、賃金インフレ圧力につながり、責務の他の部分に影響が及ぶ。市場はこうした引き締めの動きを吸収できるようになるが、利上げペースが1━2回を上回る兆しが表れれば、予想外に強めの景気やインフレ指標に反応する形でなければ、マイナスと受け止めるだろう。

●6月会合、予想し難いぎりぎりの決定に

<フィデリティ・インベストメンツのポートフォリオ・マネジャー、ビル・アービング氏>

第1・四半期の経済成長に関する指標が失望を誘う内容となっていたため、米連邦準備理事会(FRB)は成長に関して神経を尖らせている。一方、インフレについてはこれまでほど神経質にはなっていない可能性がある。

今回の声明は6月利上げに向けた明確な道筋を示しておらず、6月の会合では予想し難いぎりぎりの決定になることが見込まれる。雇用やインフレ、賃金に関する指標次第だろう。FRBは利上げをめぐり身動きできないジレンマに陥っているようで、市場はそういった状況を嗅ぎつけている。それが理由で、市場が織り込む今後4年の利上げ回数は年1回にとどまっている。

●米経済に自信、年内1─2度の利上げ適切

<ボストン・カンパニー・アセット・マネジメントのシニアポートフォリオマネジャー、ジョン・ベイラー氏>

かなり中立な内容だ。最大のポイントは米連邦準備理事会(FRB)が引き続き米経済に前向きな見方を示している点だ。消費者心理は依然高水準にあり、実質所得も堅調なペースで増加しているとした。一方で、世界経済を起因とするリスクの文言を一部削除した。FRBは世界経済をさほど懸念しておらず、米経済については楽観しているのだろう。その点においてややタカ派的だが、市場が不安視するほどではない。

ここに低金利がより長期化することを示唆するものは何もない。市場は、年内1─2度の利上げがあっても大丈夫だ。昨年12月には年内4度の利上げの可能性が示され、市場は不安視した。1─2度はちょうど良い。

●声明はタカ派的、6月に利上げの公算

シリコンバレー銀行(米カリフォルニア州サンタクララ)のシニア外為トレーダー、ミン・トラン氏>

明らかにこれまでよりややタカ派的だった。 声明からは、明らかに6月のFOMCで利上げの可能性があることが読み取れる。

文言の変更部分はすべて一段の改善に向けたもので、米経済の見通しはこれまでよりも明るくなった。

*内容を追加しました。

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