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米FRB、ゼロ金利と量的緩和維持:識者はこうみる

[27日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は26─27日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を現行のゼロ%近辺に据え置くと同時に、国債などを買い入れる量的緩和も現行水準を維持すると全会一致で決定した。新型コロナウイルス感染拡大で引き起こされた景気後退から完全に回復するまで、こうした景気支援策を継続すると改めて確約した。

米連邦準備理事会(FRB)は26─27日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を現行のゼロ%近辺に据え置くと同時に、国債などを買い入れる量的緩和も現行水準を維持すると全会一致で決定した。写真はパウエル議長。昨年3月撮影(2021年 ロイター/KEVIN LAMARQUE)

●先行きに一段と悲観的、ネガティブなドル高

<FXプライムbyGMO 常務取締役 上田眞理人氏>

今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、景気の先行きについて以前より一段と悲観的な認識が示された。前日の海外市場でVIX指数(恐怖指数)が急上昇したのも、そうした認識と無関係ではないだろう。

現在ドル/円は、一目均衡表の雲の上限(104.32円)、100日移動平均線(104.41円)、今月11日につけた直近の高値(104.40円)と重要なテクニカル・ポイントが集中するゾーンに入りつつある。

ただ、足元のドル高が、FOMCが示した悲観的な景況感というネガティブな材料をよりどころとする「リスク回避下のドル高」の格好になっていること、それゆえに米長期金利の上昇が望めないことなどから、ドルが105円台を試しにいくには相当時間がかかりそうだ。

また、実需面では104円台半ばからは国内勢のドル売りも予想され、スムーズなドル高進行のハードルは高そうだ。

●テーパリングの思惑を一蹴

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

今回のFOMCは金融市場の過度な楽観を一蹴する内容となった。

市場はちょうど、バイデン大統領下の積極的な財政出動や、コロナワクチン接種の進捗や有効性に対する期待に既にブレーキをかけ始めていたところであり、今回の結果を受けてスピード調整を深くする格好となった。

景況感については極めて慎重かつ弱気なトーンを見せ、「昨年夏からの回復ペース、改善ペースが鈍ってきている」としたうえで、雇用、消費、インフレの数字の弱さを指摘し、将来に関しては多大なる不透明感があるとの認識を示した。

記者会見で「テーパーリング(量的緩和の段階的縮小)の時期」について問われたパウエル議長は「ガイダンスを作成したばかり、出口について心配や検討するのは時期尚早」と述べ、最大雇用と物価安定目標に向けて、さらなる著しい進展がみられるまで「極めて緩和的な状態を維持することが適切」と結論づけた。

約2週間前に1.187%まで上昇していた米10年国債利回りUS10YT=RRは、FOMCを受けて1%付近まで振り落とされた。今後1―2カ月間に同利回りは0.9%をセンターとして、新たな落ち着きどころを探る展開になるとみている。

為替市場では、ユーロが主役という状況が変わっておらず、ドル/円はあくまでもわき役である。

昨日ドル/円は104円台にしっかり乗せたが、これは欧州中央銀行(ECB)高官からユーロ高のスピード調整を促す発言が相次ぎユーロ安/ドル高となったことや、英ポンドが上げ幅を削ったことで、欧州通貨安/ドル高の流れが強まり、その波及効果として対円でもドルが買われたに過ぎない。

ドル/円は今後も主体性を欠く値動きがメインとなるとみており、3月までは103―105円でのレンジ相場となりそうだ。

●声明文変更は最小限、想定通り

<オックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフ金融エコノミスト、キャシー・ボスチアンチッチ氏>

おおむね想定通りの内容で、声明文の変更は最小限にとどまった。

われわれが見てきた現実を反映したものであり、声明文から予想されたものとほぼ一致している。パウエル議長が短期的な経済の弱さとリスクのバランスをどのように取り、明るい経済見通しを示すかが焦点となる。

●回復鈍化懸念、声明で初めて表明

<TDセキュリティーズ(ニューヨーク)のシニア米国金利ストラテジスト、ゲンナディー・ゴールドバーグ氏>

米連邦準備理事会(FRB)は回復ペースの鈍化と新型コロナウイルスワクチン接種の進展具合について、これまでよりも懸念を深めたもようだ。こうした懸念が声明に盛り込まれるのは初めてだ。

まだ若干の脆弱性が残っており、回復が根付くまでに長い道のりが残されていると、FRBは伝えたかったのではないか。

●超緩和策維持改めて表明、テーパリング懸念後退

<プライベート・ウエルス(ペンシルベニア州)の最高投資責任者(CIO)、ジェイソン・プライド氏>

今回の連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、連邦準備理事会(FRB)が超緩和的な金融政策の維持にコミットしていることが改めて示された。このところ量的緩和(QE)の見通しに対するさまざまな示唆が出ていたため、コミットメントが確認されたことは重要だ。

声明にはそれほど多くの新しい情報はなかった。ただ、FRBが予想より早く資産買い入れ規模の縮小を検討するとの懸念は後退した。今回の声明について何か指摘するとすれば、回復のペースがここ数カ月で鈍化したとの認識を示したことだ。

●テーパリング懸念は尚早

<クイル・インテリジェンス(ダラス)の最高経営責任者(CEO)兼チーフストラテジスト、ダニエル・ディマーティノ・ブース氏>

連邦準備理事会(FRB)が予想より早く景気刺激策を縮小する「テーパリング懸念」は現時点で尚早だ。新型コロナウイルスワクチン接種計画は遅延する公算が大きく、FRBは2022年に入ってからかなり経過するまでいかなる刺激策も引き揚げないとの見方が濃厚だ。

債券市場では、FRBの低金利と刺激策維持に向けたコミットメントに対する信頼感は揺らいでいない。

*内容を追加しました。

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