November 8, 2018 / 8:24 PM / 10 days ago

米FRB、予想通り金利据え置き:識者はこうみる

[9日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は8日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.00─2.25%に据え置くことを全会一致で決定した。

 11月8日、米連邦準備理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを全会一致で決定した。写真はワシントンのFRB本部。7月撮影(2018年 ロイター/Leah Millis)

FRBは声明で「労働市場が引き締まり続け、経済活動が力強い速度で拡大している」と指摘。力強い雇用の伸びと個人消費で経済は軌道から外れていないとの見方を示し、緩やかな利上げを継続するとの姿勢を維持した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

今回のFOMC声明文はほぼ強気一色となった。

経済活動は「力強い」ペースで伸び、労働市場と家計支出は「力強い」伸びを続けたと指摘。設備投資の伸びは足元で鈍化しているものの、失業率は低下し、インフレはFRBが目標とする2%近辺で安定しているとし、経済は総じてバラ色との認識を示した。

背景には、米国の中間選挙で「ねじれ議会」が出現したことで、財政政策の積み増しの懸念が後退し、景気見通しに対するノイズが消えた安心感があるのかもしれない。

ここまで強気であるならぱ、12月を待たずして利上げに踏み切っても良さそうなものだが、そうはならないのは、足元までの景況感と先行きの判断の間に乖離があるためだとみている。

9月のFOMCで示されたメンバーの実質GDP成長率見通しは、今年3.1%、来年2.5%、再来年2.0%。今後は、財政政策のプラス寄与の剥落と循環的な景気の陰りが相まって、成長率は低下していくとの見立てをFRBは持っている。

近視眼的な判断をすれば、今回披露された「力強い」との景気判断は、先行きの引き締め継続を示唆すると捉えうる。

しかし、より重要なのは、景気のフェーズが変化するであろう来年半ばに向けて、FRBのスタンスがどのように変化するか吟味することだと考えている。

景気そして金融市場にとって、来年こそが正念場となりそうだ。

為替相場については、今後もドル高局面があると予想するが、それは必ずしも中長期的なトレンドやポジショニングを正当化するものではないとみている。

<米投資助言会社インバネス・カウンセルの首席投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明は、前回から数カ所変更された。特に大きな変更ではない。

米連邦準備理事会(FRB)は、企業の設備投資の伸びが緩やかになったことを認めた。これはデータから読み取れる。重要な変更点はこれくらいだ。

12月に利上げを行う必要があると言っている部分はない。ただ、このままで行くと12月も利上げになる。FRBはそれを非常に明確に発信している。

歴史的に見れば、FRBが物価の中期的な目安としているコア個人消費支出(PCE)物価指数の伸びは故意に平均0.9%をオーバーシュートしている。そのため当社は、FRBが12月だけでなく、来年も2回か3回利上げを行うだろうと予想している。

FOMCの声明発表直後の株式市場は特に、その内容にかかわらず常に変動が激しくなる。企業の設備投資に関する部分で、過度に積極的になることに対しFRBが若干の慎重さを示したことは、マーケットに好意的に受け止められた。

<ジェフェリーズの金融市場エコノミスト、トム・シモンズ氏>

声明の変更点はごくわずかで、おそらく予想通りだろう。10月末に公表された国内総生産(GDP)統計と整合がとれている。雇用とインフレに関する指摘も、指標や根強い12月の利上げ予想とも整合的だ。予想通りの内容というほかに、これまで長期間示された一連の政策にも沿っている。

<BKアセットマネジメント(ニューヨーク)の外為戦略担当マネジング・ディレクター、ボリス・ショレスバーグ氏>

連邦準備理事会(FRB)は予想されていた通りの行動を示した。何か1つ予想外のことを挙げるとすれば、一段とタカ派的にならなかったことだ。企業投資のぺースがこれまでよりも「緩やかに」なったなど、これまでよりも抑制された文言も散見される。ただこうしたこと以外にFRBは警戒シグナルは一切示さなかった。

FRBの政策に変更はない。FRBは何か状況に変化が出てくるまでフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を25ベーシスポイント(bp)ずつ引き上げていくとみられる。

<コモンウエルス・フィナンシャル・ネットワーク(マサチューセッツ州)の最高投資責任者(CIO)、ブラッド・マクミラン氏>

声明に目を通したところ、「強い」という文言が3回も出てきた。実質的な懸念要因も、企業の設備投資が緩やかになったことぐらいしかなかった。

声明全体から言えるのは、連邦準備理事会(FRB)が依然利上げ軌道にあり、12月の利上げはもちろん、今後利上げが打ち止めもしくは緩慢になるということは考えにくいということだ。声明は予想にかなり近い内容となった。

<プルデンシャル・ファイナンシャルの首席マーケット・ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏>

FRBは最近の市場の動きには言及しなかったが、企業の設備投資の鈍化には触れた。設備投資は加速するとの期待がある。背景にあるのは一段と堅調な経済で、さらに影響が大きいのは法人減税と設備投資の償却を認める措置だ。FRBは言及しなかったが、多くの企業は中国との関税問題がどのように展開するのかを見極めるために投資を先送りしている。企業投資が増えれば景気の基調的強さに寄与するが、減速すれば株式市場の基盤を弱めることになる。

市場の疑問は、FRBの決定が経済指標次第なのか、あるいは2019年の利上げに関して厳格なスケジュールを守ろうとしているのかどちらなのかということだ。FRBが利上げを停止するとしたら何が要因になるのかが問題だ。今日の声明で明白となったのは、経済成長を鈍らせる可能性があるあらゆる要因に目を配っているということだ。

*内容を追加しました。

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