May 18, 2016 / 7:41 PM / 4 years ago

FOMC議事要旨:識者はこうみる

[18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は18日公表した4月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、経済指標が第2・四半期の成長加速を示し、インフレ率と雇用で前進が見られれば、6月に利上げする公算が大きいとの認識を示した。

5月18日、米FRBが公表した4月のFOMC議事要旨を受け、市場関係者の間からFRBは6月に利上げに踏み切る用意ができているなどの見方が出ている。写真は2013年7月、ワシントンのFRBで(2016年 ロイター/Jonathan Ernst)

市場関係者のコメントは以下の通り。

●6月利上げ用意できている

<フォート・ピット・キャピタル・グループのシニア株式リサーチアナリスト、キム・フォレスト氏>

議事要旨から米連邦準備理事会(FRB)は6月に利上げに踏み切る用意ができていることが読み取れる。

来月の連邦公開市場委員会(FOMC)までまだ時間があるため、いかなることも起こりえるが、利上げの可能性が高まっていることから、株価は下落している。

●米大統領選控え6月か7月に利上げ

<BMOプライベート・バンクの最高投資責任者(CIO)、ジャック・アブリン氏>

米連邦準備理事会(FRB)は年内4度の利上げを約束し、2度まで減らした。6月か7月なら、政策に政治を持ち込んだとの非難を受けずに利上げを実施できるだろう。選挙に関わるなというのが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の暗黙のルールだ。6月に利上げしないなら、12月まで待たなければならないだろう。

●市場での利上げの可能性過小評価を懸念

<アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏>

複数の地区連銀総裁がここ数日、早い段階での利上げの可能性について言及していたこともあり、今回発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨からは、FRB内部よりも市場で広範にわたり、利上げの可能性が過小評価されているとFRBが懸念していることを示唆した。

●これほどタカ派的とは驚き

<ジョーンズトレーディングの首席市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏>

英国で6月に欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が実施されることから、同月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが実施されると予想する向きはいなかった。 利上げの見通しがあるとすれば、7月ということになる。議事要旨がこれほどタカ派的だったのは驚きに値する。

●予想外にタカ派、会合後のハト派トーンから急転換

<RBCキャピタル・マーケッツのシニア米国エコノミスト、ジェイコブ・ウビナ氏>

予想外にタカ派的だ。4月米連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表された声明は、タカ派的なトーンは全く感じられず、むしろ会合直後は比較的ハト派寄りの印象だった。そのためこうしたトーンの急転換は驚きだ。

ただ、最近の米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言には一致する。(ボストン地区連銀のローゼングレン総裁など)FRB内のハト派当局者も6月利上げの可能性を示唆しており、こうした発言内容に沿っている。ただ、その変わり身の早さという点で、市場は不意を突かれた格好だ。

●金利正常化の機熟す

<ウェルズ・キャピタル・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、ジム・ポールセン氏>

米連邦準備理事会(FRB)は金利の正常化を開始すべき時だ。FRBが信頼感を示せば、民間セクターも追随するだろう。

株式市場では、景気敏感セクターのパフォーマンスがより良く、FRBがようやく金利正常化に着手するとの考えには、かなり強気なトーンが根底に流れている。

市場は利上げに上手く対応できると確信している。

●米利上げペース緩やかなら大幅なドル高見込めず

<FXプライムbyGMO 常務取締役 上田眞理人氏>

為替市場では、4月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨をきっかけに、米利上げのペースについて、6、7月に1回、大統領選後に1回のシナリオもあり得るとの認識が市場参加者の間で広がり、110円台までドル高が進んだ。

しかし、市場が想定するように米利上げがゆっくりとしたペースであるとすれば、ドルの上昇もおのずと緩やかなものに留まると考えられ、大幅な上昇余地は見込みづらい。

また、目下落ち着いている資源価格や中国経済に関するリスクが再燃し、リスク回避のムードが広がる可能性も排除できず、そうした環境下ではドルが買われる一方で円も同時に一段と買い進まれ、ドル/円の下値リスクが高まりそうだ。

今月末までのドル/円相場の基本レンジは107―111円とみている。

●ドルは自律反発、米利上げにはリスクも

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジスト 植野大作氏>

ドル/円が節目となる110円を回復したが、日本の大型連休中に円高を仕掛けていた投機筋の買い戻しによる自律反発の範囲内の動きだろう。日銀会合後の105円台までの下落は明らかにスピード違反だった。

買い戻しのきっかけは日本サイドのけん制発言や米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨ではあっても、このまま一本調子で115円に向かって上昇するとはみていない。目先はイベントが相次いで予定されている。ドル/円にポジティブな結果になったとしても、1─2円程度の上昇に止まるのではないか。

消費増税先送りや財政支出は相当程度織り込まれており、実際に表明されても株価の上値はそれほど軽くならないだろう。

タカ派寄りのFOMC議事要旨を踏まえて、米雇用統計にかけては6月利上げの思惑が高まり得る。ただ、昨年12月の利上げの際のように、経済の先行きに市場が自信を深めていない中では、利上げで一時的なドル高はあっても、すぐにリスク回避ムードに戻ってしまいやすい。

日銀会合での追加緩和は、債券市場と株式市場で期待感に温度差がある。追加緩和した場合でも円安効果は持続せず、追加緩和がなかった場合は円買いとなりやすい。英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票も控えており、市場の不透明感は根強い。

需給面からも、110円は多くの輸出企業の想定レートのためヘッジのドル売りや、節目110円を回復したことで戻り待ちしていた投資家からの「ヤレヤレの売り」が出やすい。こうした売りをこなさないと、上方向には向かいにくい。  

*内容を追加しました。

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