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FOMC議事要旨、一部が早期利上げ支持:識者はこうみる
2016年8月17日 / 19:41 / 1年前

FOMC議事要旨、一部が早期利上げ支持:識者はこうみる

[17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が17日公表した7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨から、一部メンバーが早期の利上げが必要との考えを示したこと分かった。同時に、FOMC参加者は総じて、一段の指標を見極める必要があるとの見解で一致していることも明らかになった。

8月17日、米FRBが公表した7月のFOMC議事要旨から、一部メンバーが早期の利上げが必要との考えを示したこと分かった。写真は2012年4月、ワシントンのFRBビル前で撮影(2016年 ロイター/Joshua Roberts/File Photo)

市場関係者のコメントは以下の通り。

●タカ派色強く、英EU離脱決定の影響懸念せず

<サヴィルズ・スタッドリーの首席エコノミスト、ハイディ・ラーナー氏>

今回の議事要旨はタカ派色の強い内容となった。ニューヨーク連銀のダドリー総裁発言は、状況が良好とみるこれら議事要旨のトーンと一致する。英国の欧州連合(EU)離脱決定が、米国で懸念材料となる公算が小さいとの認識を非常にはっきりと示した。

商業用不動産をめぐる一部懸念が存在すると、議事要旨は確かに言及している。だが、低金利状態が続くとみられる環境下で、投資家が現在の利回り水準により心地よさを感じる可能性があると指摘することで、こうした不安を抑えたことも事実だ。

低金利の長期化と、投資家のリスク行動は整合的でないと区別するのは重要だ。リターンが低下する環境下に恐らくあり、当面続くということだ。

●中立的な内容、7月雇用統計で自信深める

<ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興国市場為替戦略グローバル責任者、ウィン・シン氏>

議事要旨はかなり中立的な内容だ。利上げの必要性をめぐり意見が分かれている。ただこれは7月27日時点の議論であり、大幅な伸びを記録した7月の雇用統計が発表される前のタイミングだ。当時は6月の雇用増ペースが持続するのか、多くの当局者が不安だったのではないか。

だが7月の雇用統計を受けて、前日発言したダドリー米ニューヨーク連銀総裁のように、その後自信を深めている様子がうかがえる。

議事要旨はタカ派的ではなく中立的だ。

●内部で広範な議論、リスク均衡近い

<ジェフリーズの短期金融市場エコノミスト、トーマス・シモンズ氏>

FOMC声明で目先のリスクが後退したと言及するだけではやや曖昧だ。リスクが均衡、または下振れ方向と判断しているのか分からない。だが議事要旨で広範な議論が行なわれたことが明らかになり、均衡に近づいていることを表していると考える。

これは、目先のリスクが後退したとの認識を示すことで、利上げへのシグナルに徐々に近づいているとのメッセージにほぼ整合する。ただ時期については確定していない。

●年内利上げなお示唆

<ジョージワシントン大学准教授・インディードの首席エコノミストのタラ・シンクレア氏>

雇用統計が2カ月連続で堅調だったことを受け、一部FRB当局者からは9月までに利上げが実施されるとの示唆が出ていた。ただ、議事要旨からは過半数のメンバーが利上げに踏み切る前に労働市場のほか、経済全般がどの程度力強くなっているのか、より多くの経済指標を通して確認するために待ちたいとの姿勢を示していることが分かった。

とはいえ、今回の議事要旨もなお、年内に利上げが実施されることを示唆している。

●7月会合、雇用統計発表や強気相場入り前に開催

<マッコーリーのグローバル金利・為替ストラテジスト、テリー・アルバート・ワイズマン氏>

9月利上げの可能性を示唆する前日のダドリー米ニューヨーク連銀総裁の発言を確認する内容になるとの一部の投資家の期待には沿わなかった。また、議事要旨が明確な利上げ時期を示さなかったことは、幾分失望を誘った可能性はある。

ただ、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)が、7月米雇用統計の発表や株価が好調に推移し始める前に開催されたことを念頭に置く必要がある。それを踏まえると、前日のダドリー総裁の発言のようにタカ派的で前向きな内容となる可能性があると期待することには根拠は存在しない。

●積極派と消極派に分裂、9月会合では反対票増加も

<ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブセン氏>

インフレ率が持続的に2%に向けて上昇していることが確認できるまで待とうとしている一派と、労働市場関連指標から近く利上げに踏み切ることが正当化されていると考える一派に明確に分かれている。

7月のFOMCで反対票を投じたのはジョージ・カンザスシティー地区連銀総裁だけだったが、数人のメンバーが利上げを主張していた。9月のFOMCで反対票を投じるメンバーが少なくとも2人出たとしても驚きではない。

ただ、イエレン議長は「様子見」派であると考えている。

●利上げコンセンサス形成されつつある

<ドライブウエルスの市場ストラテジスト主任、ブライアン・ドーラン氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨からは、利上げをめぐるコンセンサスが緩やかなペースで形成されつつあることが、一層鮮明となった。ダドリー・ニューヨーク連銀総裁による最近の発言を踏まえても、市場は利上げの確率を過小評価しているようにみられ、9月のFOMCで利上げが実施される可能性は高まっている。

個人的には9月会合での金利据え置きを想定しているが、市場の認識やリスク心理は「より早い時期の利上げ」に振れることになるだろう。

●想定ほどタカ派色強まらず

<TD証券の金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏>

前日のダドリー米ニューヨーク連銀総裁の発言を踏まえると、事前予想よりややタカ派色が薄いようだ。ただ、7月の会合で様々な意見が出たことは確かだ。

議事要旨の公表を受けて、米国債の利回りカーブはややスティープ化した。そのため市場が見込んでいたよりはタカ派的ではなかったとの印象だ。

*内容を追加しました。

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