Reuters logo
FRB資産圧縮は織り込み済み、日米金利は再低下へ
2017年9月15日 / 06:23 / 10日前

FRB資産圧縮は織り込み済み、日米金利は再低下へ

 9月15日、円債市場では、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、バランスシート圧縮が決定されると予想する参加者が多い。年末にかけ日米金利は、再び低下方向になるとの予想が広がっている。写真は2016年3月、ワシントンで撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

[東京 15日 ロイター] - 円債市場では、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、バランスシート圧縮が決定されると予想する参加者が多い。だが、その先の金利動向は、物価上昇率の鈍い足取りが意識され、12月の米利上げは難しいとの声が多数。年末にかけ日米金利は、再び低下方向になるとの予想が広がっている。

市場関係者の年末までの米国債・日本国債の見方は、以下の通り。

●10年米国債利回り、2%割れトライ

<三井住友銀行・チーフストラテジスト 宇野大介氏>

FOMCではバランスシートの正常化を10月から実施することを決めるだろうが、マーケットはほぼ織り込んでいる。圧縮の金額が少額のため、利上げに引き直すと、たいした引き締めではないということも分かっている。

市場の関心は、すぐに米利上げのタイミングに移るだろうが、このところのパターンをみると、昨年12月の利上げのときは素直にドル高・金利上昇に働いた。だが、今年の3月、6月は、逆の動きになった。

したがって、材料出尽くしから、今回も金利は低下方向になるだろう。10年米国債利回りは、2%割れをトライするとみている。

円債市場は、外部環境次第と考えている。外為市場でドル安/円高の進行、米金利の低下方向を考えると、日本の10年国債利回りは、メルクマールとなっているマイナス0.1%を年末までの下限として低下基調になるとみている。

今年末までの10年米国債レンジ予想:1.70%─2.30%

今年末までの10年日本国債レンジ予想:マイナス0.100%─0.070%

●バランスシート圧縮で米金利上昇し続けることない

<東海東京証券・チーフ債券ストラテジスト 佐野一彦氏>

FOMCでは、10月からのバランスシート圧縮が決定される見通しだ。詳細は事実上明らかになっているので、実際に始まったときのインパクトを確認する程度になるだろう。

米連邦準備理事会(FRB)は、量的緩和縮小の意向を示して新興国市場が大混乱した2013年の「テーパータントラム」の苦い経験があるので、今回は慎重に行っている。

マーケットも(FRBを)リスペクトしているので、圧縮を受けて利回りが上昇し続けることは基本的に考えられない。

12月の利上げに関しても、米成長率が下がるなかで物価上昇は難しい。利上げ派が少数になっているため、10年米国債利回りは低水準で推移するだろう。

米債金利と同様に、円債金利も上がらないだろう。イールドカーブ・コントロール(YCC)に関しては、外為市場を注視する必要があり、ドル安/円高の進行により、金利が低下基調になったときに課題がありそうだ。

今年末までの10年米国債レンジ予想:1.75%─2.40%

今年末までの10年日本国債レンジ予想:マイナス0.050%─0.095%

●12月米利上げ、見送りの可能性高い

<みずほ証券・シニア債券ストラテジスト 丹治倫敦氏>

FOMCでバランスシートの縮小を決めると思うが、市場へのインパクトは限定的だろう。12月の米利上げの有無が焦点になるが、見送る可能性が高いとみており、米金利は小幅に低下する方向になるだろう。

米景気は巡航速度の回復が市場のメインシナリオになっているが、これが揺らぐようなことになると、金利低下の目も出てくる。

原油価格の上昇など外的要因や構造変化が起きない限り、物価も低迷が続くことになりそうだ。

円債市場に関しては、基本的に日銀の金融政策がしばらく変わらないと予想しているので、海外市場の動きや需給にしたがって、上下に振れる展開になりそうだ。

日銀の次期総裁について、ニュースが出てくるか注目されるが、安倍首相が選ぶ以上は、今の金融政策を劇的に変える人選はないとみている。

今年末までの10年米国債レンジ予想:1.90%─2.40%

今年末までの10年日本国債レンジ予想:マイナス0.050%─0.100%

●YCC揺らぐことなく、円債金利のレンジ狭める方向

<JPモルガン証券・チーフ債券ストラテジスト 山脇貴史氏>

FOMCでバランスシートの縮小を決めると思うが、現状のインフレが続くようであれば、12月利上げは難しいだろう。

北朝鮮リスクが強まると、10年米国債利回りは2%を割る可能性がある。不透明感がある次のFRB議長が最終的に誰に決まるかも焦点だ。イエレン氏の続投であれば、現行政策が継続されるが、仮にタカ派が議長に就くことになると、金利上昇要因に働くことになりそうだ。

10年米国債利回りは、年末に向けて基本的に2%台前半で推移するレンジ相場を継続するとみている。

YCCが揺らぐことはないだろう。円債市場では、日銀オペが金利のレンジを狭める方向に働くという意味で、市場参加者は動きづらく、年末に向けて現状の利回り水準から大きく変わることはなさそうだ。

次の日銀総裁が誰になるかが大きなテーマになると思うが、材料不足は否めないだろう。 

今年末までの10年米国債レンジ予想:1.90%─2.40%

今年末までの10年日本国債レンジ予想:マイナス0.020%─0.090%

伊藤武文 編集:田巻一彦

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below