[東京 28日 ロイター] - ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円 正午現在 98.84/86 1.3069/73 129.18/22 午前9時現在 98.49/51 1.3034/38 128.38/42 NY午後5時 98.32/37 1.3039/40 128.22/26 正午のドル/円は前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べドル高/円安の98円 後半。日経平均株価が堅調に推移する中で、円売りの動きが優勢となり、一時98.98 円まで上昇、6月11日以来の高値をつけた。短期筋や輸入企業の買いが相場を押し上げ た。ユーロ/円も4日ぶりに129円台を回復した。 <株しっかりで円売り優勢> 正午までのドル/円は堅調に推移した。日経平均株価の上げ幅は400円超となり、 投資家のリスク選好が回復。短期筋が主導する形で、ドル/円は98.98円まで上昇し た。輸入企業の買いも相場を押し上げた。ユーロ/円も129.37円と6月21日以来 の高値をつけた。 米連邦準備理事会(FRB)当局者が早期利上げ観測の火消しにまわったことで米債 券市場の混乱はひとまず収束、株式市場も安定を取り戻しつつあることが追い風になって いる。 大手邦銀関係者は「投機筋は長い目で見たらドル/円は上方向とみており、売りから 入るところはほとんどない」と指摘。日米の金融政策スタンスの違いや、貿易赤字の定着 など円需給の構造変化などが引き続き材料視されているとして、「来月ぐらいには100 円に戻るのではないか」との見方を示した。 雇用統計までは動きづらいとの声があるものの、「日経平均が1万3000円台で値 固めの雰囲気が強まってくれば、ドル/円をサポートしそうだ」(大手信託銀)との見方 が多い。 ニューヨーク連銀のダドリー総裁は講演原稿で、市場の早期利上げ観測は連邦公開市 場委員会(FOMC)声明や大半のFOMCメンバーの見通しからかけ離れているとの見 方を示した。 パウエルFRB理事も講演で、資産買い入れ縮小ペースに関するFRBの見通しに市 場は過剰に反応し、利上げ開始時期の予想がかなり前倒しされているとの見解を明らかに した。 <BEIへの影響は小さいとの声> 総務省が発表した5月の全国消費者物価指数(生鮮食品除く、コアCPI)は前年比 0.0%となり、昨年10月(同0.0%)以来7カ月ぶりにマイナス圏を脱した。 一方、6月東京都区部コアCPIは同0.2%上昇となった。いずれも市場予想通り で、相場への影響は限られた。 5月全国コアCPIがマイナス圏を脱したことで、市場では物価観への影響を期待す る声もあるが、物価連動国債から算出されるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI、 期待インフレ率)への影響は小さいとの見方が多い。 参加者からは「BEIはリスクオン・オフの動きに連動している。とりわけ日本の値 動きは海外勢の影響が大きく、物価観とは関係なく、需給で振れやすい面がある」(国内 証券)との声が聞かれた。 (志田義寧※)
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