for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

東京外為市場・午後3時=ドル102円前半、低水準の米長期債利回りが重し

[東京 18日 ロイター] -   
         ドル/円   ユーロ/ドル   ユーロ/円 
    午後3時現在 102.34/36 1.3389/93 137.03/07
  正午現在   102.27/29 1.3395/99 137.00/04
  午前9時現在 102.41/43 1.3387/91 137.11/15
  NY午後5時 102.33/36 1.3398/03 137.14/18

    午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ変わらずの10
2円前半。ウクライナ情勢の緊迫化によって週末に高まった地政学的リスクへの懸念はい
ったん落ち着きをみせているが、昨年半ば以来の低水準で推移する米長期債利回りが、ド
ル/円の上値を抑えている。
         
    ドルはこの日、102.20―102.45円と極めて狭いレンジでの取引となった
。ドルの下値は20日平均線(102.20円)や実需に支えられているが、102.4
0円の200日平均線(102.40円)が事実上の上値の抵抗線となり、身動きがとり
づらいという。
    市場は総じて「夏枯れ」ムードが広がり、投機のフローも「ほぼ不在で、相場に持続
的な方向感が出にくい」とプレヴィデンティア・ストラテジー、マーケット・ストラテジ
ストの山本雅文氏は言う。
    ただ、「週末の米長期債利回りの大幅な低下との見合いでは、ドル/円の下げは比
較的小幅に留まっている」(外銀)との指摘も出ていた。
    米10年国債利回り は15日のニューヨーク市場で一時2.30%まで
低下し、2013年6月以来の水準まで低下した。同利回りは目下2.3573/2.3
538%の気配で。
     
    <FOMC議事要旨、ジャクソンホール>    
         
    20日には、7月29日─30日開催分のFOMC議事要旨が発表されるが、「出口
戦略の詳細が明らかになる可能性があるものの、FRBはすぐにはタカ派にはならないだ
ろう」とプレビデンティアの山本氏は予想する。
 21―23日に米ワイオミング州ジャクソンホールで金融・経済シンポジウムが開催さ
れる。「足元の失業率の低下および労働市場の緩みに対するイエレンFRB議長の見解を
中心に、金融政策運営の具体的な手掛かりになりそうな同氏の発言を注視することになる
だろう」とみずほ証券、投資調査部チーフFXストラテジスト、鈴木健吾氏は述べ、参集
する主要中銀の高官発言にも留意したいとした。
   
   
    <地政学的リスクへの懸念>
    
    地政学的リスクは東京市場で「いったん落ち着いてきているようだ」(邦銀)との声
が出ている。ウクライナでの緊張が高まる中でも102円を割り込まなかったことから「
ドル/円の底堅さが確認された」(国内金融機関)との声が出ている半面、「相場は安定
しているとはいえない。地政学的リスクの進行状況によっては、相場が動きやすい」(国
内金融機関)との指摘もあり、積極的に上値を追う様子でもないという。
    盆休みが明けて「通常営業に戻りつつある」(国内金融機関)というが、まだ輸出企
業が本格的に取り組む様子は見られないという。仲値に向けては輸入企業のドル買いがあ
って小幅上昇したが、仲値後は金融機関などが米債に関連した円転を進めてドルはやや下
押しされた。    
    
    前週末の海外時間には、ウクライナ領内に入ったロシア軍の装甲車両をウクライナ軍
が攻撃したとの報道があり、リスクオフの流れが強まった。ダウがマイナス幅を拡大した
ほか米10年債利回りが低下し、ドル/円は一時102.13円に値を崩した。相場終盤
にかけて株や金利が値を戻すなかで、ドル/円も102.30円台まで回復していた。
    地政学的リスクとしては、ウクライナ情勢だけでなく中東情勢にも目配りが必要との
指摘があらためて出ており、関連した報道が意識されやすい地合いが続きそうだという。
    
    <ユーロと量的緩和の思惑>
    
     ユーロは1.33ドル後半で狭いレンジでの取引となった。
    15日の安値1.3359ドルから小幅に反発したが、「底這いの流れを脱していな
い」(外銀)という。市場では、1年間続いたユーロ圏としてのプラス成長がついに中断
されたことで、ECBによる量的緩和導入の思惑も広がりつつある。
    
    第2・四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)(速報値)が前期比横ばいとなり、
市場予想の0.1%増を下回ったことを受け、独10年国債利回り は14日
に初めて1%を下回り、15日は0.952%と過去最低水準まで低下。この日も0.9
90/0.981%と1%以下の水準を推移している。
    
    ユーロ圏GDPの内訳では、ドイツのGDPが前期比0.2%減と、2013年第1
・四半期以来のマイナス成長となった。フランスのGDPも前期比横ばい、イタリアのG
DPは0.2%減と2四半期連続のマイナス成長で、2008年以降3度目のリセッショ
ンに後戻りした。
    
    <ファンディング通貨>
    
    JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉チーフFX/EMストラテジストは「ユーロ
がファンディング通貨の性格を強めている可能性がある」とみている。これまでは、ウク
ライナ関連のニュースに対しては、景気への悪影響というシナリオに基づくユーロ売りが
目立っていた。
    棚瀬氏は、ポーランドやハンガリー、チェコへの投資であれば、ドルよりユーロの方
が流動性があるとして「ユーロがファンディング通貨として用いられることは、金利の絶
対水準と金融政策の方向性からみて合理的だ」と指摘していた。
    
    一方、ユーロは、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測が高まる直前の5月の
高値は1.40ドルの手前にあった。足元では1.33ドル後半を推移している。ショー
トポジションも積み上がっており「センチメントの悪化に伴うユーロ売りの余地はだんだ
んなくなってきていて、むしろ反対のニュースがあった時のショートポジション巻き戻し
のリスクの方が高まってきている」(棚瀬氏)という。
    

 (森佳子)
for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up