<東京市場 19日>
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日経平均 | 国債先物6月限| 国債306回債 |ドル/円(12:03) |
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10815.52円 | 138.48円 | 1.370% | 90.48/50円 |
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+71.49円 | -0.07円 | +0.005% | 90.34/38円 |
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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。
下段は前営業日終値比。為替はNY終盤。
[東京 19日 ロイター] 週末19日の東京市場は、米株高を受けて日経平均が堅
調に推移している。日米ともに超金融緩和がしばらく継続し、流動性相場が期待できると
の思惑から海外勢主体に日本株買いの動きが出ている。ただ、一部では政局不安が株の上
値を重くするとの声も出ている。
<海外勢の買い、国内勢の売り吸収>
株式市場では日経平均.N225が反発している。18日の米株式市場でダウ工業株30
種.DJIが2008年10月以来、約1年5カ月ぶりの高値を付けたほか、外為市場でド
ル/円JPY=がやや円安方向に振れたことで、輸出株を中心に買いが先行した。「海外勢
の買いが継続し、国内勢の持ち合い解消売りや戻り売りをこなしている。日米とも低金利
を背景に過剰流動性相場の再燃を感じさせる状況であり、需給が改善する新年度入り以降
は、リスク資産への資金流入が加速する可能性もある」(準大手証券トレーダー)との声
が出ている。
米国株が連日の高値更新となっている状況について、クレディ・スイス証券・株式調査
部ストラテジストの丸山俊氏は「いわば『スイートスポット』期間に入っているためだ」
と表現している。「在庫循環的に夏ごろまでは堅調な生産活動が続くとみられるほか、非
農業雇用者数も早晩プラスに転じてくるだろう。一方で連邦公開市場委員会(FOMC)
は、金利を低水準に維持するというコミットメントを示している。景気が回復して金融引
き締めが実施されるまでの非常に心地いい期間に米株は現在入っている」とみている。
「スイートスポット」の期間は金融引き締め観測に左右されるので定かではないが、最低
でも3カ月は続くと丸山氏はみている。「ただ、景気の持続的回復期待を抱かせるような
決定打はまだなく、夏以降の景気には不安が残る。バリュエーション面も高くなっており、
製造業などは買い上がりにくい。このためばら色のシナリオにはならないが、すぐさま売
る理由もないので、じわじわと高値を更新するという展開だ」と話している。
一方、民主党が執行部批判を理由に生方幸夫副幹事長の解任方針を決めるなど、国内政
治が波乱要因になるとの見方もある。日興コーディアル証券・シニアストラテジストの河
田剛氏は「こうした強圧的な姿勢を(民主党執行部が)続ければ、どこかのタイミングで
党分裂に行き着くのではないか。7月の参院選で(民主党が)単独過半数を獲得できなか
った場合、自民党内も揺れているので、民主党の分裂によって政界再編に結びつく可能性
もある」と指摘している。
もっとも「厳しい政治情勢がチャンスに変わることもあり得る。鳩山内閣は支持率が低
下していることもあり、7月の参院選に向けて少ない財源の中でも何らかの対策を打って
くる可能性があり、株価の追い風になる」(準大手証券情報担当者)と期待する声もある。
<ユーロの下げ幅拡大、スイスフランの急騰が背景>
外為市場では、ユーロが下落。海外市場でユーロ/ドルEUR=はアジア時間の高値から
100ポイント超下落したほか、ユーロ/円EURJPY=Rも122円半ばと1.6円の下げ
となった。ギリシャが欧州連合(EU)から支援を得られる見通しに悲観的となり、4月
2―4日の国際通貨基金(IMF)に支援を求める可能性があるとアジア時間夕方に伝わ
ったことが手掛かりとなった。
しかし、前日の取引でユーロが下げ幅を広げた実情は、スイスフランにあったとの声も
少なくない。スイス国立銀行(中央銀行)のダンティーヌ理事が18日、「家計や企業は
将来のいずれかの時点で、金利が比較的高く、市場原理が為替レートを導く世界に戻る備
えをすべきだ」と発言したことがきっかけとなり、中銀が介入で押し上げきたユーロ/ス
イスフランEURCHF=Rは1.43スイスフラン半ばへ100ポイント超下落。スイスフラ
ン売り介入を実施し始めた昨年3月の安値を大きく下回り、2008年11月につけたユ
ーロ導入来安値に接近した。これまでスイス中銀は、スイスフラン高に警戒感を何度も示
し、取引量の少ないアジア時間にもユーロ買い/スイスフラン売り介入を実施するなどス
イスフラン高の抑制に強い姿勢を示してきた。それだけに、前日の通貨高を容認する方向
の発言は「かなりのサプライズだった」(外銀)という。
一方、東京市場では円が小幅に下落。ドル/円JPY=は一時90.60円まで上昇した。
日本の年度末を控えた連休前で、実質的に実需の売買が集中しやすい5・10日も重なる
とあって実需動向が関心を集めていたが、この日は投資家勢の買いがあったという。年度
末を控えた国内企業は決算前にリパトリエーション(資金の本国還流)の円買いに動いて
いるものの、投資家勢は「一段の円高を警戒して為替のヘッジ比率を高めていたが、年度
内に80円を割るような大幅円高の可能性が薄れてきたことで、ヘッジ解消の円売り戻し
に動いている」(都銀)という。
<円債市場は調整局面入りの声>
市場では、中期的な相場調整を予想する声が出ている。バークレイズキャピタル証券の
森田長太郎チーフストラテジストは「2月下旬から、1)円高進行、2)政府幹部の金融
緩和期待発言、3)メディアの緩和観測――という流れの中で、先物のアウトパフォーム
が際立っていた。これには、限月交代要因も小さくなかった。前週後半から生じている相
場調整の動きは先物主導との印象が強いが、2月下旬以降の動きの反動という部分も間違
いなくあるだろう」と話した。
その上で同氏は「先物および先物ゾーンは、まだ極端な割高さが若干はく落したに過ぎ
ない。国内では債券の最大の買い材料だった金融政策イベントが終了し、これから補正予
算の話しも多少のノイズになってくる可能性がある。内外経済指標も比較的強めの推移を
続けており、来月初の日銀短観、米雇用統計という内外経済イベントに向けての今後2週
間弱は、先物の割高なバランスをもう一段修正させる動きが生じる可能性がある」と指摘
した。
みずほインベスターズ証券・チーフマーケットエコノミストの落合昂二氏は「政府はこ
れから中期財政フレームで財政再建のための青写真を作ると、少しだが、市場では期待し
ていたはず。だが、その期待を折ることになる追加の経済対策論が、もしこのまま進展し
ていくのであれば、イールドカーブにはますますスティープ化圧力が掛かっていくことに
なるだろう」と指摘した。また「財政規律の緩みは明らかであり、格付けへの影響も懸念
される」と話している。
(ロイター日本語ニュース 田巻 一彦 ;編集 吉瀬邦彦)
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