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〔クロスマーケットアイ〕短観受け株買いに安心感、新年度入りで銀行勢が国債買い

<東京市場 1日>

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日経平均   | 国債先物6月限| 国債306回債  |ドル/円(12:58) |

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  11168.91円 | 138.46円 | 1.375% | 93.40/41円  |

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+78.97円 | +0.24円 | -0.015% | 93.44/49円  |

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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替はNY終盤。

 [東京 1日 ロイター] 新年度入りした1日の東京市場は、3月日銀短観の発表を

受け、国内景気の回復に広がりが見え始めたとの見方から、株買いがコンスタントに出て

日経平均.N225が堅調に推移している。一方、株高にもかかわらず、円債市場では銀行

勢の新年度入りに伴う買いが先行し、長期金利は小幅低下。外為市場ではドル/円が93

円台まで上昇し、株買いをサポートしている。

 <海外勢・個人の株買い先行>

 株式市場では日経平均が反発している。ドル/円JPY=が93円台の円安基調で落ち着

いていることに加え、寄り付き前に発表された3月日銀短観が景況感の改善を確認する内

容だったことから安心感が広がった。高値警戒感は強く利益確定売りも出ているが、海外

勢や個人の買いが継続して相場を支えている。「個人投資家などの手元資金が増加し、潜

在的な買いエネルギーが滞留しているようだ。先物上昇に伴う裁定買いも活発化の兆しで、

株価はじわりと上昇している」(国内投信)という。

 日銀短観3月調査では、大企業製造業の業況判断DIがマイナス14となり、リーマン

ショックで落ち込む直前の2008年9月(マイナス3)以来の小幅なマイナスとなった。

大企業非製造業の業況判断DIも08年12月(マイナス9)以来の小幅なマイナスだ

った。「非製造業が予想よりも強く、内需への広がりが感じられる。株価の短期的な過熱

感もあり、今すぐ押し上げる材料にはならないにしても、今後の企業業績回復が確認でき

る内容」(マネックス証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏)との見方が出ている。

 三菱UFJ投信・戦略運用部副部長の宮崎高志氏は「短観での為替想定レート

(2010年度大企業・製造業で1ドル=91円)をみると経営者のマインドにはいくぶ

ん慎重さが感じられるが、先行きのDIは改善しており、基本的には業績回復の方向が確

認できる内容となった」と指摘。さらに「米国の金利上昇も米景気の強さを表していると

みている。歴史的にみて米金利上昇局面で必ずしもドル高になっているわけではないが、

日本株にとってしばらくはポジティブな外部環境が続くだろう」と話している。

 次の焦点は2日発表の3月米雇用統計に移る。市場では「雇用が悪化すれば米国株が売

られる。逆に良すぎても米長期金利上昇をきっかけに米国株は調整するリスクがある。程

よい水準に落ち着くのがベストだが、もともと財政赤字拡大を背景に米長期金利には上昇

圧力がかかっているだけに警戒感は残る」(大手証券)との声が出ている。

 <先行きの長期金利上昇を警戒する声>

 円債市場では、国債先物<0#2JGB:>が反発。長期金利の指標銘柄である10年最長期国債

利回り<0#JPTSY=JBTC>は予想に反して低下し、前日比1.5ベーシスポイント低い

1.375%を付けた。日興コーディアル証券の末澤豪謙・国際市場分析共同部長は「長

期金利はきょう1.4%に上昇した後、押し目買いが入ったようだ」と話した。外資系金融

機関の債券ディーラーは「少額ながらも銀行勢から期初の買いが入ったとみられている。予

算上、買わなければいけない金額があり、積極的とはいえない。日銀短観にらみで売り持ち

にしていた海外勢は、ショートカバーに踏み切った」と話した。

 日銀短観に関しては「業況感は環境の改善で上振れが確認されたが、設備投資など実体

経済の部分では、なお調整圧力が根強そうだ」(三菱UFJ証券・チーフ債券ストラテジ

ストの石井純氏)との声がある一方で「大企業非製造業は予想よりも良かったので、やは

り当初みていたよりも景気は上振れて推移している」(みずほインベスターズ証券・チー

フマーケットエコノミスト、落合昂二氏)との見方も出ている。

 これを受けた長期金利動向では「景況感だけではなく、株や為替のマーケットの影響も

受ける。その意味では、少し金利が上昇する余地が出てきたのではないかとみている。金

利の上昇圧力が強まる可能性があるのは夏場以降、年後半にかけてではないか」(みずほ

インベスターズの落合氏)との見方や「4─6月の長期金利レンジについては、1.25

─1.6%程度と予想している」(日興コーディアル証券・国際市場分析共同部長の末澤

豪謙氏)との声が出ている。

 さらに日銀の金融政策の行方について、落合氏は「とりあえず様子見になるのではない

か。日銀にとってはできれば追加緩和をしたくない状況だと思うが、今後については政府

の声がトーンダウンするかどうかにかかっている」との見方を示した。 

 <ドル/円3カ月ぶり高値、年初来高値が視野>

 外為市場では、ドル/円JPY=が一時93.65円と海外高値を小幅に上抜け、3カ月

ぶりの高値を更新。1月に付けた年初来高値93.78円に迫った。ドル/円やクロス円

がテクニカル的に上抜けてきたことや、日本の新年度入りで機関投資家の海外投資が活発

化するとの期待感などを背景に、2日発表の米雇用統計や海外のイースター休暇を控え、

これまで買い上げた円を売り戻す動きが相次いだという。円は他通貨に対しても下落。朝

方の取引で豪ドル/円AUDJPY=Rは85円後半と3カ月ぶり、ユーロ/円は一時

126.62円と2カ月ぶり、英ポンド/円GBPJPY=Rは142円前半と1カ月半ぶり高

値を付けた。

 前日海外の取引では、日本の年度末や海外の四半期末に伴って、機関投資家などグロー

バル投資家がいっせいにポートフォリオの持ち高調整に動いた結果、「円に売りが集まっ

た」(都銀)ことも、クロス円を押し上げる要因となった。特にユーロ/円は、欧州機関

投資家の月末調整取引がユーロ/英ポンドEURGBP=Rの買いに集中したことも手掛かりに

なったという。

 目先的な円相場の行方は、2日発表の3月米雇用統計次第との見方が大勢。市場予想以

上に強含みとなって米金利に上昇圧力がかかれば、ドル/円は一段高の可能性があるとの

声が出ている。市場では、3月米雇用統計が強含みになるとの期待が持続している。前日

に企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)子会

社などが発表した3月全米雇用報告は、民間部門雇用者数が2万3000人減と事前予想

の4万人増から予想外の減少となったものの、悪天候の反動や国勢調査による雇用増が雇

用統計の下支えになるとの見方は変わらず。「極端に楽観的な予想は後退したが、総じて

堅調な結果が期待できる」(ロイヤルバンク・オブ・スコットランド)という。

 ADPの発表後、指標算出の実務を手がけたマクロエコノミック・アドバイザーズのジ

ョエル・プラッケン会長が電話会見で「特別要因を考慮すると2日の雇用統計はあっさり

と強いプラスの数字が示される可能性がある」との見方を示したこと、米ホワイトハウス

のバートン報道官が同日の会見で、3月雇用統計の内容にかかわらず「われわれには依然

としてやるべきことがたくさんある」と発言したことなども、雇用統計が強含みになると

の見方を支えた。

 (ロイター日本語ニュース 田巻 一彦;編集 宮崎亜巳)

(kazuhiko.tamaki@thomsonreuters.com ロイターメッセージング 

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