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東京外為市場・正午=ドル94円前半に切り返し、日銀声明の影響は限定的

       ドル/円JPY=   ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

正午現在   94.18/20  1.3384/87  126.04/09

午前9時現在 93.63/64  1.3381/83  125.26/31

NY17時現在 93.75/80  1.3397/00  125.65/70

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 [東京 7日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点に比

べて上昇し94円前半で推移している。ギリシャ問題再燃を受けたユーロ/円の売りが波

及して緩やかに売られたあと、93円半ばの下値が堅かったことから跳ね返されて94円

台を回復した。日銀の金融政策決定会合では事前予想通り追加緩和は実施されず、ドル/

円の値動きに大きな影響はなかった。午後の日銀総裁会見も大きな材料にならないとの声

が出ている。

 ドル/円は5日早朝に94.78円の高値をつけて「当面のレンジ上限を確認」(国内

金融機関)して以来、緩やかに売られている。短期筋のドルロングの巻き戻しに加え、米

連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が「ハト派的な内容」(別の国内金融機関)だっ

たこと、ギリシャ問題を受けたユーロ/円を中心に手仕舞い売りが強まったこともドル/

円を圧迫している。

 朝方、オバマ米政権の経済再生諮問会議議長を務めるボルカー元連邦準備理事会(FR

B)議長は6日、高水準の米国の赤字がいずれドルを試すことになるとの見解を示したこ

とで「軽くドル売り」(国内金融機関)となり、英フィナンシャルタイムズが中国につい

て、人民元切り上げに向けてトレーディングバンドを拡大させるのではないかと報じたこ

とで「軽く円買い」(国内金融機関)になった。

 ただ、93.50円前後の買い注文が厚く、93.50円割れにあったストップ・ロス

をねらう下攻めに失敗。その後はファンド勢の買い戻しや国内勢のドル買いが優勢になっ

てドル/円は94円台を回復した。「94円後半までのドル/円の上昇が早かったため買

いそびれた参加者もあり、ドル/円の押し目は買いたい向きが多い。ただ、94.78円

のレンジ上限に対して、レンジ下限はまだ手探り中。93.56円で下げ止まりにはなら

ないだろう」(国内金融機関)との声が出ている。

 正午過ぎに日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、事前予想通り追加緩和は実施さ

れなかった。ドル/円の値動きに影響は出ていない。「きのうのFOMC議事録が予想し

たよりタカ派度が弱く、日銀の緩和バイアスも限定的だったことで、ドル/円の方向感を

考えるうえでは決め手にならない。円安地合いは一服しそうで、月内は95円を超えるこ

とは難しいだろう」(日興コーディアル証券為替ストラテジスト、松本圭史氏)との声が

出ている。

 午後3時半からは日銀総裁会見が予定されているが「市場の追加緩和観測は一時より静

まっており、強くけん制するよりは適度に円安要因をくすぶらせる選択だろう。しかし、

金融市場が落ち着いているため追加緩和観測を強める必要もない。市場の材料にはならな

いだろう」(日興コーディアル証券、松本氏)との声が聞かれた。

 <FOMC議事録は政策の自由度確保を探る姿示す>

 3月16日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録については、一部メンバーが早期

金融引き締めのリスクのほうが長く待ち過ぎるリスクよりも大きいとの考えを示すなど

「ハト派的な内容だった。米利上げ期待で先走りかけていた市場を落ち着かせる方向で作

用している」(住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏)と受け止められ

ている。

 こうしたなかで注目を集めたのが、これまでの異例の低金利政策に関する「長期間

(for an extended period)」という表現の意味合い。議事録は「経済見通しが著しく悪

化するか、インフレ基調が一段と低下しているようであれば、政策引き締めまでの期間は

かなりの期間(quite some time)続き、さらに長期化する可能性がある」としている。

その一方で、「このような見通しの提示は、迅速に金融引き締めを開始するFOMCの能

力を制限しない」とした。

 住友信託の瀬良氏は、今の市場では「長期間」という文言が、そのまま6カ月程度は利

上げしないという意味に受け止められていると指摘。「時間軸効果の副作用が出ており、

逆に文言をはずすことが利上げ予告になる。FRBは利上げと文言の関係をはずして自由

度の回復を図りたかったのではないか。ただ、それは利上げのタイミングを早めるとか遅

らせるとかの意図があるわけではなく、両サイドの自由がほしいということだろう」(瀬

良氏)とみている。

 一方で、バークレイズ・キャピタルのエコノミスト、ディーン・マキ氏は、「長期間」

という文言がもはや時間軸の意味を持たず、声明から削除される道が開かれたとして「も

しかしたらFOMCは、言い回しの精神を侵さず文言を削除した後、じきに引き締めを開

始する可能性もある、という解釈になる」とみており、東京市場でも、文言をはずしたあ

とは機動的に利上げを開始するという可能性を視野に入れる声が上がっている。

 <ギリシャ懸念が再燃>

 前日アジア市場からのギリシャ債務懸念の再燃を引き継ぎ、海外市場でユーロは一時

1.3355ドルまで下落した。欧州連合(EU)が先月合意したギリシャ支援の内容に

同国が修正を求めたとの報道でギリシャの債務危機をめぐる懸念が強まった。

 ギリシャはこの報道を否定したものの懸念を払しょくするに至らず、10年物ギリシャ

国債と独連邦債の利回り格差は一時400ベーシスポイント(bp)を超えて拡大、ユー

ロ導入以来最大となった。CMAデータビジョンによると、ギリシャ国債の5年物クレジ

ット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは一時392.5bpに拡大した。

 市場では「ギリシャ支援策は支援に慎重なドイツが実質的に拒否権を確保したほか、ど

ういう基準でギリシャが支援要請するかの基準も決めておらず、支援発動のハードルは非

常に高い。ギリシャ問題解決に向けた状況が、この支援策で大きく改善したわけではない

ということを再確認した」(ステート・ストリート銀行の金融市場部長、富田公彦氏)と

の声が出ている。

 ユーロ/ドルはショートカバー局面が一巡、1.36ドルを付け切れずに上値の重さが

意識されていたところで「タイミングよく戻り売りの材料が出てきた」(セントラル短資

FX・執行役員の武田明久氏)という。

 ユーロ/ドルは3月25、26日に年初来安値(1.3267ドル)をつけているが、

独連邦債の利回り格差が広がっていることで「一段の下値更新があってもおかしくない。

ギリシャ国債は、為替リスクのないユーロ圏からの買い需要が少ないが、今後これが膨ら

むかどうかがポイントになる」(住友信託銀行、瀬良氏)との声が聞かれる。一方「この

材料自体は蒸し返しで、一段の下値をねらうほどではない。当面は下値圏でのレンジ取引

になる」(セントラル短資FX、武田氏)との声も上がっている。

(ロイター日本語ニュース 松平陽子)

※( ロイターメッセージング:yoko.matsudaira.reuters.com@reuters.net 

E-mail:yoko.matsudaira@thomsonreuters.com; 03-6441-1795)

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