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〔クロスマーケットアイ〕ユーロ売り一服で株に打診買い、リスク回避姿勢は変わらず

<東京市場 8日>

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日経平均   | 国債先物6月限| 国債308回債  |ドル/円(12:15) |

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  9556.27円 | 140.94円 | 1.230% | 91.67/69円 |

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+35.47円 | -0.06円 | +0.010% | 91.41/45円  |

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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替はNY終盤。

 [東京 8日 ロイター] 8日の東京市場は、小幅ながら株高/債券安。ユーロが下

げ止まっているため、株を売って債券を買う動きは一服している。ただ、ユーロの先安見

通しが依然として大勢で、リスク回避姿勢は変わっていない。株式市場では、実体経済以

上に不安心理が先行する形で下落してきたとして割安感を指摘する声があるが、ユーロや

米株に振り回されてきているだけに打診買いの域は出ていない。

 <ユーロの売買交錯>

 外為市場ではユーロがもみあい。前日の欧州株が一段の下げとならず、この日のアジア

株も前日終値付近で落ち着いた値動きとなったことを受けて、ユーロ/ドルは前日東京で

つけた4年ぶり安値を50ポイント程度上回る1.19ドル台、ユーロ/円は同8年半ぶ

り安値から1円上昇した109円台でもみあう流れが続いた。ユーロが一段と大きく下げ

るような「シリアスな状態はとりあえず回避できている」(外銀)という。

 しかし、ユーロ圏から欧州新興国に広がり始めた懸念は相変わらずで、市場ではユーロ

の先安見通しが依然として大勢。すでに短期筋のポジションが大幅な売り持ちに傾いてい

るため「値動きが鈍ると買い戻しが入りやすいが、(反落は)時間の問題」(邦銀)との

見方が根強い。実際、ユーロは値動きこそ鈍かったものの、上値、下値で各国中銀や国内

外の投資家、ファンド勢などの売買が入り乱れ「取引量はそれなりに多い」(別の外銀)

状況が続いた。

 売買が交錯する背景となっているのは、目先的な強弱感だけではない。ギリシャなど域

内国への懸念の高まりが手掛かりとなり、ユーロ/ドルは昨年後半の1.5ドル台から

3000ポイント超下落。前日につけた4年ぶり安値をもう100ポイント程度下回ると、

ユーロが発足した1999年1月の水準へ反落することとなる。ドルに代わる基軸通貨候

補としての需要を集めたことが、08年にかけてユーロを押し上げた最大の手掛かりだっ

たが「通貨としての信認も値動きも、10年を経てユーロは『振り出し』に戻ったといえ

る。このまま崩れるのか、当初の目標に戻って復興できるのか。ここからが正念場になる」

(大手銀のトレーダー)という。

 <外部要因にらみ続く>

 株式市場では日経平均.N225が小幅反発。朝方は欧州の債務問題や米株安を背景に売

り先行となったが、為替が対ユーロ、対ドルともやや円安方向で落ち着いたことでハイテ

クなどの輸出株を中心に買い戻しが入った。「外部要因に振らされる展開が続いており、

状況によっては一時的に直近安値を割り込む可能性もあるが、足元のレベルでは個人投資

家を中心に押し目買いが観測される。まだ様子をみながらの打診買いで上値を追う感じで

はないが、前日のようにユーロ安が進んでいないことから安心感がある」(みずほ総研シ

ニアエコノミストの武内浩二氏)との声が出ている。

 欧州債務問題に対する警戒感は根強く、米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ

・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)

.VIXは5月の水準から低下しているが、高水準にとどまっている。日本株も実体経済以

上に不安心理が先行する形で下落してきたが、「9500円割れの水準はさすがにバリュ

エーションでの割安感があり、実需買いや買い戻しが入っている。前日にはヘッジファン

ドの新規売りポジションが組まれたとの観測もあり、下げ過ぎの感がある。不安心理はく

すぶっているが、悪材料はかなり織り込んだのではないか」(コスモ証券本店法人営業部

次長の中島肇氏)との見方が出ている。実際、この日の株式市場では国内年金が幅広い銘

柄に買いを入れて反発に転じたとの観測もある。

 きょう発足する新内閣の人事については「株式市場にとってニュートラルな材料。反応

があるとすれば為替の動きを通してとなる。新内閣の支持率上昇/高支持率維持が鍵とな

るだろうが、いずれにしても外部環境の影響を大きく受ける状況に変わりはない」(大和

証券キャピタル・マーケッツ投資戦略部部長の高橋和宏氏)とみられている。 

 <超長期に買い需要>

 円債市場で先物は小幅安。現物債は、残存5年ゾーンから残存30年ゾーンにかけた国

債流通利回り格差が縮まり、イールドカーブはフラットニングする形状となった。中期ゾ

ーンで、銀行勢が一時的に利益を確定しておこうとするオペレーションに踏み切る一方、

超長期ゾーンでは「年金勢が敗戦処理的に買いを入れ続けている」(国内金融機関)との

見方が出ている。

 6月は国債大量償還月にあたる。償還再投資の需要に加え、4―6月期の債券運用を巡

っては「期初の金利観が定まらず、債券購入が見送られがちだった」(国内証券)ため、

買い遅れが鮮明となっている。

 日銀が8日発表した5月の貸出資金吸収動向によると、銀行・信金計の貸出平残は前年

比2.0%減(4月同1.8%減)と6カ月連続でマイナスとなった。企業の運転資金や

設備投資向け資金需要が引き続き弱いため、マイナス幅は2005年7月以来4年10カ

月ぶりの大きさとなった。

 邦銀の運用担当者は「債券市場に資金流入する構図は、しばらく続くのではないか」と

話した。外資系金融機関の関係者は、米10年債利回りが節目の3%に迫っていることに

触れ、「海外金利の低下が質への逃避の深刻さを物語っており、9日の米国債入札(10

年)の結果次第で、円金利は低下余地を模索することになりかねない」と話した。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者:編集 吉瀬邦彦)

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