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訂正:菅政権の人事次第で政策修正の見方、円高対応で問われる手腕

 [東京 14日 ロイター] 民主党代表選は、菅直人首相が小沢一郎前幹事長に圧勝したが、国会議員票はきっ抗する結果となり、今後の小沢氏の処遇など閣僚と党役員人事次第では、菅政権のこれまでの政策が軌道修正される可能性が指摘されている。

 9月14日、民主党代表選は菅直人首相が小沢一郎前幹事長に圧勝したが、人事次第では菅政権の政策が軌道修正される可能性が指摘されている。写真は都内で会見する菅首相(2010年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 首相続投こそ決まったものの、菅政権が直面する課題は山積しており、まず進行する円高への対応や、それを含めた2010年度補正予算編成など景気対策で「菅・新政権」の手腕が問われることになりそうだ。さらには、来年度予算編成でのマニフェスト事項の扱いや消費税を含む税制抜本改革の議論、補正予算編成の議論などで財政拡張的な小沢路線への妥協を迫られる可能性も懸念されている。

 新たな船出となる菅政権の今後を占う上で、試金石となるのが内閣改造だ。代表選の前哨戦で「仙谷由人官房長官外し」に動いた小沢グループを抑え込み、鳩山居抜き内閣から菅首相独自の組閣ができるのか、それとも「挙党態勢」という旗の下で、官房長官を交代させたり、小沢氏に近い議員を取り込むことになるかによって、政策の方向性が大きく変わる可能性がある。

 菅首相は党代表再選を受けて「挙党態勢で頑張り抜く」と全党一致で政権運営にあたる考えを示したが、内閣改造と党役員人事については「現時点では、まったくの白紙」とし、「あすにも代表経験者などの意見を聞いて考えたい」と述べるにとどめている。人事のタイミングについては首相の国連総会への出席などを念頭に、早ければ週内にも踏み切るとの観測が強まっているが、大幅なものになるかは不透明。菅陣営で選挙対策本部長代理を務めた石井一・民主党副代表はロイターのインタビューの中で、大幅な内閣改造と党人事の刷新を提言している。

 直面する課題としては、一時1ドル=83円割れ目前まで急速に進行した円高への対応が挙げられる。菅首相や野田佳彦財務相らは、円高進行に対して「介入を含めて必要な時には断固たる措置をとる」と繰り返しているが、欧米経済の先行き不透明感の強まりなどを背景に、円高が止まる気配は見えない。経済界などからは円高阻止に向けた政府の市場介入を求める声が日増しに強まっており、単独でも円売り介入に踏み切るのか、菅政権の「本気度」と「覚悟」が試される局面が近々にも訪れる可能性がある。

 こうした円高が企業マインドやデフレに与える影響などが懸念されるなか、日銀との連携が問われる局面も再び出てきそうだ。日銀は8月の臨時金融政策決定会合で(訂正)追加緩和措置に踏み切ったばかりだが、小沢氏は14日の代表選における演説で、デフレ克服に向けて「日銀法改正など制度改正やインフレターゲット政策も視野に入れる」と表明。これまで金融政策に対する直接的な言及を控えてきた小沢氏の突然の発言について、ある民主党議員は「消費税増税に言及して敗北した参院選の影響もあり、民主党内ではリフレ的な政策の必要性を指摘する声が少なくない」ことを背景として指摘する。これまでの菅政権では、こうした党内の声を抑え込むことで、日銀に対して政府との連携を暗に促してきた面もあった。今後の閣僚人事次第では、日銀との連携について、そうした党内の声が色濃く反映される可能性も否定できない。

 一方、小沢氏は大敗を喫したが、国会議員票で菅首相に迫り、党内基盤を確保した。現職首相と党内最大勢力のトップの一騎打ちで、選挙結果が「党内分裂」に発展する可能性も指摘されていたが、小沢氏は「一兵卒として民主党政権を成功させるために頑張っていく」と協力を確認。当面は、民主党政権での初の予算編成にまい進する。

 ただ、衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」に変わりはなく、来年度予算案と関連法案で審議が紛糾するような事態になれば、多数派工作が表面化する可能性は否定できない。野党関係者の間からは、来年4月の統一地方選挙後の政権運営にも関心が集まっている。

 (ロイターニュース 吉川裕子記者 伊藤純夫記者)

*本文6段落目の「9月の金融政策決定会合で」を「8月の臨時金融政策決定会合で」に訂正します。

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