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今後3年程度で震災復興の財源を確保=政府・政策推進指針の最終案

 [東京 16日 ロイター] 政府が東日本大震災発生後を受けて、重要度の高い経済政策の優先度や実現への行程をあらためて定める「政策推進指針」の最終案が16日、明らかになった。

 5月16日、政府が東日本大震災発生後、重要度の高い経済政策の優先度や実現への行程をあらためて定める「政策推進指針」の最終案が明らかになった。写真は被災した福島県相馬市。11日撮影(2011年 ロイター/Issei Kato)

 財政・社会保障の持続可能性の確保や信認維持の必要性は「大震災によってさらに高まっている」として、今後3年程度を「自律的成長への土台作り」と位置付け、この間に「震災復興に必要な財源を確保」するとともに、「6月に成案を得る」と明記した社会保障と税の一体改革を実行に移す。政府は17日の閣議で指針を決定する。 

 指針では、大震災が日本経済に与えた当面の影響として「被災地を中心とするストックの毀損、サプライチェーンの障害」に加え「電力供給制約の下で、生産活動や輸出が減少している」こと、福島第1原子力発電所事故の風評被害や消費者マインドの悪化などから「消費や観光など需要面にも影響が出ており、雇用への影響も懸念されている」と分析。「供給制約が石油価格などの上昇とあいまってコストプッシュ型のインフレ圧力を生む可能性に留意が必要」と指摘し、今後についても「消費の減少などによる景気への影響が予想され、雇用も引き続き厳しい状況がある程度の期間続くと見られる」とした。その上で「中長期的に従来の想定と同程度の経済成長を実現することを目指し、必要な改革を加速する」方針を示した。 

  <日銀に経済の下支えを期待> 

 指針では経済財政運営の基本方針として、当面、今後3年程度の短期と、中・長期の3つに分類。当面は「震災からの早期立ち直り」を目指して、被災者支援や風評被害の防止、サプライチェーンの再構築などを集中的に推進するほか、日銀に「政府とマクロ経済運営に関する基本的視点を共有し、引き続き、政府との緊密な情報交換・連携の下、適切かつ機動的な金融政策運営により経済を下支えするよう期待する」と要請した。「実体経済の円滑な循環を再生するためには、金融・資本市場、為替市場の安定が極めて重要」な点にも言及した。

 短期では、復興財源の確保と社会保障と税の一体改革の実行のほか、被災地域の本格的な復興支援などに取り組む。中長期では「持続可能な自律的成長の実現」方針を掲げ、社会保障・税一体改革を継続することで「財政・社会保障の持続可能性を確固たるものとする」とした。 

  <新成長戦略、年内に具体像を提示へ> 

 主要政策としては、日本の再生を「財政・社会保障の持続可能性確保」と「新たな成長へ向けた国家戦略の再設計・再強化」の2本柱で実行する。新成長戦略について、1)質的転換を要するもの、2)目標は堅持するが行程を見直すもの、3)目標・行程とも堅持するもの、4)新たに取り組むもの――に分ける検証を夏までに実施し、「年内に日本再生のための戦略として具体像を提示する」と明記した。 

 昨年11月に閣議決定した「包括的経済連携に関する基本方針」に関しては、農業・漁業者の心情や産業空洞化懸念などに配慮しつつ、基本方針で示した考え方を「検討する」方向へ修正。菅直人首相が表明していた今年6月までの環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加判断時期も「総合的に検討する」とだけ記載した。 

 また「新成長戦略実現会議」を5月から再開し「日本国内投資促進プログラム」や「パッケージ型インフラ海外展開」などを再検証するほか、環境・エネルギー大国戦略の見直しに向けた検討を開始。「短期・中期・長期からなる革新的エネルギー・環境戦略を検討する」方針を掲げた。

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