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〔クロスマーケットアイ〕金融不安収まらずリスクマネーが一時撤退、米利下げでもTEDスプレッド上昇

<東京市場 12日>

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日経平均   |国債先物3月限 | 国債289回債  |ドル/円(14:20) |

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  15749.87円 | 136.73円  |  1.505%    | 110.96/99円 |

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-294.85円 | +0.79円   | -0.075%  | 110.62/66円   |

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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替は前営業日NY終盤。

 [東京 12日 ロイター]  米連邦準備理事会(FRB)が大方の予想通り0.2

5%の利下げを実施したにもかかわらず米株が急落。東京市場もこの地合いを引き継ぎ、

日経平均が一時300円以上下げ、長期金利は1.50%まで急低下した。一部では、大

幅な利下げと緊急の資金繰り対策が期待されていたが、FRBは景気実態に対応する形で

金融緩和を実施する姿勢を示したと受け止められ、過度なリスクポジションをとっていた

参加者はポジション解消を余儀なくされた。利下げ後にTEDスプレッド(米3カ月物

TBと3カ月物LIBORとの金利差)は逆に上昇するなど、年末を前にした金融不安に

対する懸念は依然根強いことも警戒感を与えている。

 <米利下げ、信用不安抑えきれず>

 「公定歩合の引き下げ幅は予想を下回り、声明の内容も期待されていたほどハト派的で

はなかった」(JPモルガン・チェース銀)「必要なら追加措置をとる用意があるとの姿

勢は確認されたものの、遠回しながらも、利下げを事実上約束するつもりはないとの意思

表示ともとれる」(バンク・オブ・アメリカ)ーーFRBの決定に関しては依然として出

し惜しみ、との声が相次いだ。

 ドイツ証券シニア為替ストラテジストの深谷幸司氏は「市場に優しいFRBを期待した

ものの、そもそもリスクテイクを過度に後押しするほどあまくない、ということか」と話

している。

 深谷氏は、FRBの金融政策に関して、1)ファンダメンタルズが悪化するなら利下げ

、2)サブプライム問題あるいはクレジット問題に関しては基本的に自己責任原則、3)

金融市場の混乱に対しては潤沢な資金供給、との方針にある、とみている。

 そのうえで「ファンダメンタルズそのものは、慌てて数次の利下げあるは大幅利下げを

実施するほど悪化していない」という。

 市場筋によると、金融機関の信用リスクを示すとされるTEDスプレッドは2.21%

近辺と、前日から10ベーシス・ポイント(bp)強拡大した。

 <金融機関の損失拡大リスクを再認識>

 こうしたFRBの姿勢や根強い金融不安を受け米株が急落。東京株式市場では円高要因

もあり日経平均が下落、下げ幅は一時300円を超えた。サブプライムローン(信用度の

低い借り手向け住宅ローン)問題に関しては、これまで景気悪化や信用不安などの実体悪

よりも、金融緩和、政策対応への期待感が勝って相場を支えてきた。今回は米利下げ実施

により期待感がはく落した格好だ。

 大和住銀投信投資顧問上席参事の小川耕一氏は、「米大手投資銀行の決算発表を前に、

サブプライムローン絡みの損失拡大への警戒感があらためて台頭してきているのではない

か。国内株については、内需の弱さや政局不安などが重しとなっており、海外投資家の投

資意欲をそいでいる」とし、市場の目が再度実体悪に向き始めていると指摘する。

 また、みずほインベスターズ証券投資情報部長の稲泉雄朗氏は「FOMCでの声明文で

、景況感悪化のニュアンスが強かったことが懸念材料だ」とみている。「米国経済が予想

以上に悪化しているということであれば、利下げ打ち止め感が出ず、ドル全面安のシナリ

オも出てくる。為替感応度が強い日経平均にとっては円高が重しになる。当面は円高前提

の相場展開を想定しなければならない」という。

 <総悲観には陥らず>

 ただ悲観一色というわけではなく、稲泉氏は「米国株は0.5%の利下げ期待で上昇し

過ぎた部分がはげているだけであり、トレンドが変わった訳ではない。利下げとドル安に

より米輸出企業の業績は、かなり良くなるだろう。米国株の下げ余地は限定的であり、日

本株も一方的に大きく崩れることはない。むしろ出遅れの内需株は買い好機だ」と話して

いる。

 リーマンブラザーズ証券チーフストラテジストの宮島秀直氏も「1月から始まる欧州の

金融機関の決算発表で市場の不安が再び高まる可能性があり、FRBは来年1月に向けて

資金供給量を再び拡大させる見通しだ。欧州の中央銀行は機動的に行動しにくいという面

があり、FRBが代わりに資金供給を行うことが予想される。利下げもあと0.5%はあ

りうる」とし、株価を下支えるとみている。

 <銀行勢が短期債に買い>

 逆に円債市場は急反発。10年最長期国債利回り(長期金利)は8bp低い1.500

%と12月5日以来1週間ぶり、2年利付国債利回りは4bp低い0.695%と06年

10月12日以来1年2カ月ぶりの水準にそれぞれ低下した。

 海外勢が株先売りを絡めて債先買いに動いていたほか、現物短期ゾーンには、日銀の利

上げ環境が一段と厳しくなったとの思惑から、銀行勢などが買いを入れたという。

 買い一巡後は、戻り売りに上値が押さえられつつあるが「目立った現物の売りが出てい

ない」(国内証券)との指摘が出ており、再び金利が上昇しにい地合いが意識されている

 ABNアムロ証券・債券市場本部長の菊川匡氏は、FRBの金融政策について「(今回

は)0.25%の利下げ幅がニュートラルと判断したのだろう。声明でインフレリスクに

警戒感を示しており、原油価格の高止まりを受け、本来であれば利下げに踏み切りたくな

いのが本音」とみる。

 国内要因では「11月の貸出資金吸収動向をみると、企業が資金の借入をしてまでも設

備投資を進める環境でなくなっている」とし、日銀の利上げ環境が一段と厳しくなってい

る、と読む。10年最長期国債利回り(長期金利)は年内1.45%付近まで低下余地が

ある、とみている。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者)

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