<住友信託銀行 マーケット・ストラテジスト 瀬良礼子氏>
中国の一連の経済指標は、景気の堅調さを確認する内容になった。中国など新興国にけん引されてグローバル経済の回復も続きそうだ。一方で、このところ中国の金融引き締め観測が強まっているが、CPIの予想比上振れをみるとこうした懸念も強まりそうだ。
ただ、米国が金利を低く据え置いた状態で中国が金利引き上げに向かえばホットマネーの流入を招くため、中国の利上げは米国にらみにならざるを得ない。すぐに政策金利を動かすことはないだろう。
中国の順調な景気拡大は豪ドルなどでのリスク・オンを後押しする材料になるが、一方で引き締めも視野に入ってきたことから上値はこれまでよりは重くなりそうだ。
(東京 21日 ロイター)