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為替こうみる:円高が進む環境、阪神大震災時より整っている=みずほCB 唐鎌氏

 <みずほコーポレート銀行 マーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏>

 リーマン危機やギリシャ危機のときに円高が進んだのと同様、リスクを感じた国内の投資家は海外の資産を処分して、現金で円を確保しておきたいという意識が働く。実際のリパトリエーション(資金の本国還流)のフローはまだ見えないが、少なくとも今月いっぱいはこうした動きが進むだろう。日経平均は下落するだろうから、含み益が減って外貨建て資産を処分する機関投資家も出てくる。

 (景気を下支えするための財政出動などは円安要因だが)すでに悪化している日本の財政にいまさら焦点が当たるとは思わない。FRB(米連邦準備理事会)がすぐに金融政策を変えることはないと思うので、ドル/円は上値が重くなりそうだ。

 阪神・淡路大震災後も円高が進んだ。当時は日米間の貿易赤字を調節するための為替調整圧力があり、そこへ大震災が発生した。今回も世界的に貿易収支の不均衡是正が言われるなか、円高が肯定される環境にあり、時代的な背景はそれほど異ならない。しかも当時の米国は利上げ局面だったが、今は量的緩和を打ち切るかどうかという議論をしており、次元が違う。今の方が円高が進む環境は整っている。

 (東京 13日 ロイター)

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