[台北 13日 ロイター] - 関係筋によると、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業2317.TWは、台湾総統選挙に出馬した郭台銘(テリー・ゴウ)会長の後任に、同社の半導体部門トップでシャープ6753.Tの取締役も務める劉揚偉氏を指名する見通し。
郭氏は先週、会長職を辞任すると表明。同社の新取締役会の取締役にはとどまる見通しだ。
同社が先週示した取締役の選任案には、郭氏、劉氏のほか、シャープの戴正呉会長、ホンハイ傘下の鴻騰精密科技6088.HKの盧松青会長の名前が掲載されている。
選任案は6月の株主投票にかけられ、その後会長が選出される。
ホンハイはロイターに送った電子メールで、台湾証券取引所の諸規則に沿う形で幹部指名人事を公表すると説明。「個々の事業グループの操業に変更はなく、それぞれの経営チームの指揮下で運営し続ける」とした。
劉氏は63歳。ホンハイ内部では比較的地位が低く、会長昇格の可能性に意外感を示す関係者は多い。
関係者によると、郭氏は「若い」人材に経営を任せたいとの意向を社内で繰り返し示していた。
劉氏は郭氏の特別補佐として2007年にホンハイに入社。郭氏が強い信頼を寄せており、2017年から半導体部門のトップを務めている。
関係筋によると、戦略上の問題では、郭氏が劉氏を通じて引き続き影響力を行使する可能性が高い。グループ会社は以前から個別に運営されており、会長が交代しても、日々の業務への影響は限られる公算が大きいという。
同社は米アップルAAPL.Oやスマートフォンの組み立てへの依存度を減らすため、人工知能(AI)やインターネット・オブ・シングス(IoT)などの分野に事業を拡大している。
13日のホンハイ株は3%下落した。
*内容を追加しました。
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