[台北 15日 ロイター] - 電子機器の受託生産世界最大手である台湾の鴻海精密工業は15日、中国以外で投資を拡大する方針を示した。中国の厳格な新型コロナウイルス規制による生産への影響や、米中通商摩擦激化による事業への打撃を抑える。
同日発表した2022年第4・四半期決算は、純利益が前年同期比10%減の400億台湾ドル(13億1000万ドル)となった。中国の厳格な新型コロナウイルス規制により最大のiPhone工場が混乱に見舞われたことが響いた。
市場予想(399億8000万台湾ドル)と一致した。
同社は今年第1・四半期と通年の売上高が横ばいになると予測。通年については、スマート家電の需要が小幅に減少する一方、コンピューティング、クラウド、ネットワーキング、コンポーネント製品といったその他分野は大幅な伸びを見込んでいる。
「スマート家電については比較的保守的な見方を維持している」としており、これは比較対象となる前年が高水準だったほか、インフレや世界経済減速といった要因を反映しているという。
昨年第4・四半期については、主要な家電製品の売り上げが前年比横ばいだったと説明。このグループにはスマートフォンが含まれ、同社の総売上高の半分以上を占めている。
同社は以前、「iPhone 14 Pro」を含む米アップルのプレミアムモデルの大部分を生産している鄭州工場について、通常通り生産が再開したと表明している。
劉揚偉董会長は、米国やベトナム、インド、メキシコ、中国などで「顧客とサプライチェーンの調整に対応するため」拡張が必要だと説明。現在、売上高の約70%は中国製の製品が占めるが「今後、海外地域の割合は増加し続ける」と述べた。
年内にどの程度投資を拡大するかは言及しなかった。
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