[ワシントン 4日 ロイター] - 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業(2317.TW)は、米国で多くの雇用を創出する約束にもかかわらず、150人以上の人員をメキシコに移したことが、ロイターの入手した記録で分かった。
鴻海は昨年11月に米インディアナ州への提出書類で、「事業・生産目標の変更」を理由に同州インディアナポリス郊外にあるコンピューター工場で155人を削減すると明らかにした。
情報公開法に基づいてロイターが入手した記録によると、これについて米労働省は今年2月、同社がメキシコに生産を一部シフトしたことが理由だと断定した。
鴻海の関係者は現時点で取材に応じていない。
同社の報告書によると、2017年末時点での全世界の従業員数は98万8000人で、155人は全体のごくわずかにすぎない。
しかし、同社は米ウィスコンシン州の工場での雇用創出目標をこれまでのところ達成しておらず、動向が注目されている。
同工場は17年にホワイトハウスでの式典で公開され、トランプ大統領が米製造業界の復活に向けた自身の成果として誇示した経緯がある。
完成すれば、海外を拠点とする企業によるグリーンフィールド投資として米国史上最大となり、1万3000人の雇用を創出することになるが、鴻海は以前この計画の見直しを行っていることを明らかにしている。
ホワイトハウスは現時点でコメント要請に応じていない。