[グラース(フランス) 28日 ロイター] - フランス南部の都市グラースで培われた香水作りの技術が28日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。
ユネスコは、アヤメやジャスミンなどグラースで育った長年の芳香植物栽培技術と調香の技術を無形文化遺産に加えた。
グラースの香水技術は500年以上にわたる年月をかけて発達し、月下香などの材料が育つのに適した微細気候であることから、現在も世界有数の香りの中心地とみなされている。だが、一部の業者が生産コストのより安価なチュニジアやモロッコに移転したり、不動産業者が農地を開発したりし、生産者の数は減少している。
一方、「メード・イン・フランス」を売りにしているシャネルや、ゲランを参加に置くLVMH(LVMH.PA)は、依然グラースの植物を重要視している。
香水の業界団体によると、香水の需要増が見込まれる中、グラース市当局は、家族単位で受け継がれてきた栽培や調香の技術をさらに発展させるための方法を模索している。