Reuters logo
〔アングル〕仏経済、パリ攻撃で先行き懸念 「愛国消費」と治安関連費が鍵に
2015年11月18日 / 05:12 / 2年後

〔アングル〕仏経済、パリ攻撃で先行き懸念 「愛国消費」と治安関連費が鍵に

[パリ 17日 ロイター] - 129人の犠牲者を出したパリの同時多発攻撃事件を受けて、フランス経済の先行きが非常に見極めにくくなっている。小売りや観光セクターの見通しは不透明だが、公的部門はセキュリティー強化のための支出拡大に動いており、フランス経済の一定の支援材料になる可能性がある。

第3・四半期のフランス国内総生産(GDP)は前期比0.3%増で、今年通年では政府が目標としている成長率1%を達成できる公算。

ただパリの事件後、仏経済がどの程度持ちこたえられるかは、個人消費が鍵を握る。インターネット上では、脅しに屈しない姿勢を示すためにバーやコンサート、スポーツの試合に出かけるようパリ市民に呼び掛ける書き込みがあふれており、消費面ではポジティブな材料だ。

2004年3月のマドリード列車爆破後のスペイン、05年7月のロンドン爆弾事件後の英国は、いずれも経済への打撃は一時的だった。

フランスでも今年1月に風刺週刊誌「シャルリー・エブド」本社が襲撃されたが、その後の仏経済が深刻なダメージを受けた兆しはない。消費者信頼感指数は襲撃にほとんど反応せず、9月までには8年ぶりの高水準に上昇、第1・四半期の成長率は約2年ぶり高水準だった。

*フランスの消費者信頼感・支出の推移

link.reuters.com/pef35s

<公的部門のセキュリティー強化、経済を支援へ>

しかし、今回はクリスマス商戦が本格化する直前に攻撃が起きたことに留意する必要があるだろう。この時期に小売り支出が若干減少しただけでも、年間の数字には大きな影響が出る。ソシエテ・ジェネラルのアナリストらによると、上場している高級小売ブランドは、年間売上高の25─30%をクリスマスシーズンに稼ぎ出しているという。

バークレイズのエコノミスト、フィリップ・グディン氏は、小売りよりも観光業のほうが心配だと話す。フランスは、海外からの訪問者数が世界一で、観光セクターはGDPの7%以上に寄与している。

同氏はリサーチノートで「パリで週末、買い物や娯楽活動がほぼ停止したことが、消費に影響したことは事実だが、パリ市民は通常通りの生活を送ろうという姿勢を示しており、消費はすぐ回復したようだ」と指摘。

「観光業への影響は長期化する可能性がある。その意味で、第4・四半期のフランスのGDPが影響を受けることは必至」と述べた。

一方、パリ攻撃事件を受けて、公的部門はセキュリティー強化に向けた支出を増やしており、小売りや観光のマイナス分を補う可能性がある。公的セクターは近年、緊縮財政を強いられてきたが、事件後には警察官の大規模な追加採用が発表されるなど、状況は一変している。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below