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焦点:長期金利は低下余地探る、くすぶる日銀緩和期待

[東京 22日 ロイター] - 来年の10年長期国債利回りJP10YTN=JBTCは低下余地を探る展開になりそうだ。2016年度の新規国債発行額が減少する一方で、日銀の国債買い入れは償還見合いで増額される方向にあり、需給は一段と引き締まる見込み。

 12月22日、来年の10年長期国債利回りは低下余地を探る展開になりそうだ。都内の日銀本店前で10月撮影(2015年 ロイター/Thomas Peter)

原油安の長期化から物価シナリオに不確実性が強まることも想定されており、日銀の追加緩和への思惑がくすぶり続けるとの指摘も出ている。一方、流動性低下による金利上昇の懸念を示す声もあった。

市場参加者の見方と予想レンジは以下の通り。

●需給逼迫、長期金利0.1%も

<東海東京証券 チーフ債券ストラテジスト 佐野一彦氏>

財務省が国債の市中発行額を減らす一方で、来年は日銀の国債買い入れが増額されて買う年限が長くなるため、需給は逼迫する。また、米利上げが複数回にならなければ、ドル高の修正が起きる可能性があることも影響しそうだ。米国の長期金利の上昇も抑制されるだろう。欧州の景気・経済は良くならないとみている。

ただ、日本の10年債利回りレンジで0.750%の上限を見ているのは、一段と流動性が低下する可能性があるためだ。

10年長期国債の予想レンジ:0.100─0.750%

●超長期ゾーンの買入額が焦点

<みずほ証券 シニア債券ストラテジスト 丹治倫敦氏>

来年1月の日銀による国債買い入れ計画が発表されたが、これだけだと平均買い入れ年限は9年ぐらいにとどまる。まだ延ばす余地があるということだ。したがって、超長期ゾーンの買い入れ額をどこまで増やしてくるかが焦点になる。足元の超長期ゾーンは売り手も買い手も少ないので、おそらく海外投資家が売り手の候補になりそうだ。海外投資家が売っても良いと思う水準、つまり、どこまでイールドカーブがフラットニングできるかということになる。

日銀オペの「札割れ」はひとつのテーマで、仮に起きた場合は、マーケットでいろいろな思惑が錯綜するだろう。ただ、全面的なテーパリングはしないとみている。

10年長期国債の予想レンジ:0.250─0.500%

●超長期ゾーンの需給が一段とタイト化

<ドイツ証券 チーフ金利ストラテジスト 山下周氏>

日銀の国債買い入れが増えることで、超長期ゾーンの需給が一段とタイト化することになるだろう。30年債、40年債の買い入れが増えたので、後ろからカーブを潰していくような効果が想定される。また、日銀の補完措置はフレキシビリティが高まり、長い年限を買う方向のため、基本的にイールドカーブはフラット化することになりそうだ。

超長期ゾーンのリスクは、ボラティリティで、基本的にイベントリスクには弱い。何らかの政治的なショックがあった場合、超長期債の金利が下がらなくなることがあり得る。ただ、参議院選挙で自民党が負けるというシナリオは考えにくい。政治的な混乱は無縁だろう。また、米国の大統領選挙に関しても円債市場への影響は限定的とみている。

10年長期国債の予想レンジ:0.250─0.400%

●ドルのバランスシート縮小

<JPモルガン証券 チーフ債券ストラテジスト 山脇貴史氏>

米連邦準備理事会(FRB)が、どの程度利上げできるかにもよるが、ドル調達がグローバルで厳しくなる中で、米国以外でのドルのバランスシートの縮小が始まることが想定される。円債市場に国内勢の運用資金が回帰する可能性がある。

新興国を中心とした世界景気懸念などを背景に、原油をはじめとする商品価格の先安観が先進国にどの程度波及してくるのか見極めながらの神経質な展開になりそうだ。

日銀は国債買い入れオペの持続性を考慮に入れて、補完措置を決めたが、仮に物価シナリオが崩れるようなことがあれば、日銀の追加緩和があってもおかしくない。

10年長期国債の予想レンジ:0.200─0.350%

伊藤武文 編集:伊賀大記

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