for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

FRB議長、利上げペース加速の用意も:識者はこうみる

[7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7日、上院銀行委員会で行った証言で、最近発表された堅調な経済指標を受け、金利を従来の想定以上に引き上げる必要がある公算が大きく、入手される情報「全体」がインフレ抑制に向け一段の厳しい措置が必要であることを示唆すれば、より大幅な措置を講じる用意があると表明した。

市場関係者の見方は以下の通り。

<JPモルガン・アセット・マネジメント グローバル・マーケット・ストラテジスト 前川将吾氏>

タカ派的な発言は想定の範囲内だった。50ベーシスポイント(bp)の利上げへの再加速に含みをもたせたことは印象的だった一方、データ次第の姿勢も示した。今後発表される米雇用統計や消費者物価指数(CPI)の重要性がより高まりそうだ。

市場の利上げ織り込みは25bpや50bpのいずれかで固まっておらず、変動余地が残されている。3月連邦公開市場委員会(FOMC)にかけて、経済指標の発表などを消化しながら株価や金利が不安定になる展開は続くとみている。

年央にかけて、日本株には上値余地はあるだろう。世界の景気指標が強いことは景気敏感株である日本株には追い風となるほか、米金利が上がればドル高/円安となることも支えになる。グローバルな金利上昇懸念が続く中で、バリュー株選好はもう少し続いてもおかしくない。

ただ、米景気の先行きが読み切れない中では、日経平均は昨年からのレンジ上限となる2万9000円台前半が上値めどとなりそうだ。年後半にかけて景気後退への懸念がぶり返してくれば、株価の水準は切り下がっていくだろう。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7日、上院銀行委員会で行った証言で、最近発表された堅調な経済指標を受け、金利を従来の想定以上に引き上げる必要がある公算が大きく、入手される情報「全体」がインフレ抑制に向け一段の厳しい措置が必要であることを示唆すれば、より大幅な措置を講じる用意があると表明した。2月7日撮影(2023年 ロイター/Amanda Andrade-Rhoades/File Photo)

<トレーダーXのマーケットアナリスト、マイケル・ブラウン氏>

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の驚くほどタカ派的な議会証言は、3月米連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利上げを選択肢に入れるとともに、これまでのインフレ対策が進展していないことに失望を示した。

金利引き締めを維持するとのFRBの断固たる決意を、市場に改めて思い知らせた。

議長はまた、ターミナルレート(利上げの最終到達点)が予想より高くなる可能性が高いと改めて指摘した。これにより、債券の弱気観測、ドル強気観測が一段と勢力を盛り返した。10日の雇用統計次第では、ターミナルレート6%を予想する声が高まりそうだ。

<ホライゾン・インベストメンツの最高投資責任者(CEO)、スコット・ラッドナー氏>

市場の反応はやや驚きだ。今回の議会証言はここ1カ月間で見られたあらゆるものを考慮すれば最も明白な結論だったからだ。条件反射的な株安はおそらく反転して横ばいに戻るだろう。

ターミナルレート(政策金利の最終到達点)が6%に達するとの見方は想定よりやや高い。おそらく5.50─5.75%に落ち着くとみている。

次回の会合で0.50%ポイントの利上げはあり得るが、雇用統計が減速せず、消費者物価指数(CPI)でこれまでのディスインフレが失速していることが示されるかどうかにかかっている。

<LPLフィナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏>

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、インフレが誤った方向に進み続けることを示唆するデータがあれは対応すると明言している。今後、消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)がどうなるかはわからないまま株価は反応しているが、パウエル議長の発言が事実そのものだったとは言える。

つまりFRBは、インフレ率が上昇し続ける、あるいは高止まりすることを示唆するデータを座視するつもりはない点を市場に対して非常に明確に示した。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up