March 22, 2018 / 1:14 AM / a month ago

コラム:パウエルFRB議長、答えより多くの「疑問」残す

Tom Buerkle

 3月21日、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長(写真)が初めて取り仕切った連邦公開市場委員会(FOMC)の後には、答え以上に多くの疑問が残された。ワシントンで撮影(2018年 ロイター/Aaron P. Bernstein)

[ニューヨーク 21日 ロイター BREAKINGVIEWS] - パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が初めて取り仕切った連邦公開市場委員会(FOMC)の後には、答え以上に多くの疑問が残された。パウエル氏は、利上げとタカ派的な経済見通しにハト派的な言い回しを加えて見せた。FRBは失業率にあとどれほど低下余地があるか、また減税がインフレを起こすかどうかで意見がまとまっていない。ただ、パウエル氏が示した自信は、こうした内部の緊張を解決するための時間稼ぎになるかもしれない。

FOMCメンバーの経済見通しは、経済の新局面に入っていくFRBが、いかに政策の間違いを犯す余地が大きいかを浮き彫りにした。失業率は今年第4・四半期に3.8%、2020年には3.6%に低下するというのが大勢予想で、昨年12月時点の3.9%と4.0%から切り下がった。物価上昇率は第4・四半期に1.9%に高まり、2020年には目標をやや上回る2.1%に達するという。

その通りになれば、ベン・バーナンキ氏とジャネット・イエレン氏という過去2代のFRB議長が2007─09年の金融危機以降に打ち出した異例の金融緩和は、功を奏したとみなされるだろう。

しかしFRBは今、物価抑制のために利上げペースを加速し、政策金利水準をより高くしなければならないかもしれない。FOMCメンバーが想定する今年と来年の利上げ回数は計5回で以前より1回増え、2020年にもさらに2回を見込む。最終的な政策金利は3.4%と、メンバーが長期的に適切と考える水準より0.5%ポイント高くなる。

当然ながら昨年12月から財政政策が変化した。FOMCの見立てでは、減税と歳出拡大で第4・四半期国内総生産(GDP)成長率は2.7%に加速し、これは以前の予想から0.2%ポイント上振れした。

パウエル氏は、税制改革が投資を促進し、労働参加率を高めることで、生産性を押し上げることができると述べた半面、トランプ大統領が提唱する経済成長率3%という目標は、大方のエコノミストが持続可能とみるペースを「大きく超える」と警告した。また米政府の輸入関税に対して企業経営者が懸念を深めているとの見方も示した。

パウエル氏の初めての会見は、発言内容ではなく平易な言葉で快活に答えるというそのスタイルの面でイエレン氏とは異なり、自信にあふれていた。市場の受け止めも冷静で、米10年国債利回りは小動きにとどまり、S&P総合500種は小幅安にとどまった。

それでも今後いくつかの大きな問題が出てくる。パウエル氏にはこれらを解決するために、動ける余地を最大化することを望むだけの賢明さがある。

●背景となるニュース

*FRBのパウエル議長は21日、25bpの利上げを実施したことについて「金融緩和を緩やかに巻き戻していく」という政策運営を続けていると説明した。

*パウエル氏は、米労働市場が依然堅調で、物価上昇率はFRBが目標とする2%に向かっているようだと述べた一方、「データにインフレがある程度加速を始めようとしている感触は存在しない」と指摘した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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