[東京 16日 ロイター] - 金融庁が仮想通貨交換業者に対し、インターネットに接続されない「コールドウォレット」で仮想通貨を管理する際の社内規則を厳格化するよう求めたことが分かった。関係者が16日、明らかにした。
昨年相次いだ仮想通貨の不正流出事件を受け、金融庁や自主規制団体の仮想通貨交換業協会は、ネットに接続された「ホットウォレット」内で管理する顧客の仮想通貨を制限し、秘密鍵を厳格に管理するよう求めてきた。
しかし、ホットウォレットで管理する仮想通貨を減らし、コールドウォレットで管理する仮想通貨が相対的に増えた結果、内部者による不正引き出しのリスクが浮上。金融庁が業者を調査したところ、一部の業者で担当者を定期的に交代させるなどのルールが作られていなかったことが判明した。内部者による不正や通常業務に伴う障害を未然に防ぐため、金融庁は問題があった業者に改善を求める。
金融庁はまた、仮想通貨交換業協会に対し、速やかな情報開示体制の確立を促した。同協会は今年2月に情報開示をスタートしたが、登録業者の中には財務情報の開示に消極的な業者もあり、利用者の利便性向上のために、正確な数値の開示を会員各社に指導するよう求めた。
ロイターの報道について、金融庁にコメントを求めたが、現時点で得られていない。
*内容を追加しました。
和田崇彦
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