December 29, 2014 / 2:47 AM / 5 years ago

金融庁が低金利下の地銀経営への影響試算に着手、収益減を警戒

[東京 29日 ロイター] - 複数の関係筋によると、金融庁は超低金利の長期化が地域金融機関に与える経営上の影響を推計するための試算に着手した。足元で長期金利が0.3%と過去最低水準を更新する中、今後も現在の低金利環境が続いた場合の利ザヤの縮小による収益減を警戒しているとみられる。

 12月29日、複数の関係筋によると、金融庁は超低金利の長期化が地域金融機関に与える経営上の影響を推計するための試算に着手した。2013年11月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

今後、試算結果をもとに地銀経営者らと経営への影響について議論していく方針だ。

昨年4月の日銀による大規模な国債買い入れを柱とした量的・質的金融緩和(QQE)を主因に、国債市場では金利が低下を続けており、足元では長期金利が0.3%と過去最低水準を更新している。

こうした中、金融機関の貸し出し金利も低下傾向を続けている。日銀によると、新規の貸出金利低下とともに残高全体の貸出約定平均金利は、地銀がQQE導入前の1.5%程度から足元で1.2%台、第2地銀が1.7%程度から1.5%台に低下した。

この結果、本業の資金利益は2014年9月末に地銀が前年同期比1.7%減、第2地銀が同3.7%減と収益性の低下に直面している。

政府が早期のデフレ脱却を目指して経済政策を進める中で、金融庁はこれまで、金利の急上昇が国債を多く抱える地域金融機関にとって、リスク増大要因になると警戒してきた。

しかし、金利水準が極限近くまで低下し、利ザヤ縮小という現象が、収益減少に直結して地銀経営にとってより深刻な影響が出かねないという認識が台頭。あらためてクローズアップされてきている。

金融庁では、今後もこうした超低金利環境が継続した場合、過去の相対的に高い金利の貸出や保有国債が償還を迎え、低い金利に置き換わっていくことによる収益への影響を警戒している。

このため、一定の仮定の下で、各行の収益にどのような影響を与えるのか、試算に着手した。今後、こうした試算結果をもとに、利ザヤが一段と縮小したケースにおける経営への影響について、地銀トップらと議論していく考えだ。

貸出金利低下の背景には、全体的な金利水準の低下に加え、各行の貸出競争が影響している面もあると金融庁はみている。

金融庁の幹部は、一部の地銀が「利ザヤが下がったのを量で補おうとして、量的拡大を図り、さらに金利競争に力を入れ、一段と利ザヤを下げている」と指摘。付加価値のあるサービスを提供できれば、企業側もサービスに見合った金利の上乗せを受け入れるにもかかわらず、一部の地域金融機関は付加価値のあるサービスの提供がいまだにできていないと危惧している。

分析に基づいた今後の議論の展開次第では、地域金融機関再編のさらなる後押しになる可能性もある。

伊藤純夫、和田崇彦 編集:田巻一彦

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