June 8, 2018 / 4:19 AM / 10 days ago

金融庁、地銀などのマネロン対策で緊急点検表 具体例で徹底促す=関係筋

[東京 8日 ロイター] - 金融庁が、マネーロンダリング・テロ資金供与防止対策の徹底を図るため、地方銀行、信用金庫、信用組合に対し、疑いが高いと思われる送金額や送金の頻度、形態などについて具体的な例を示し、チェックするよう要請していたことが分かった。

 6月8日、金融庁が、マネーロンダリング・テロ資金供与防止対策の徹底を図るため、地方銀行、信用金庫、信用組合に対し、疑いが高いと思われる送金額や送金の頻度、形態などについて具体的な例を示し、チェックするよう要請していたことが分かった。写真は都内で2015年11月撮影(2018年 ロイター/Thomas Peter)

複数の関係筋が明らかにした。

関係筋によると、金融庁は今年4月に地銀や信金、信組などの関係者を集め、マネロン防止策の実効性を高めるための手法を示した。

具体的には、金融庁が各金融機関に「緊急チェックシート」を配り、送金業務などにおける確認事項を列挙。その中で、マネロンやテロ資金供与の可能性が疑われる多額の現金の送金については「1000万円以上」、送金頻度については「個人による1カ月間に10回以上の送金」と例示した。

不審な送金目的として「1カ月分の生活費として1000万円以上の送金」、疑わしい口座の利用形態として「個人による1カ月間に5人以上の送金」といった例も示された。

また、外為法にもとづく経済制裁措置を回避するために利用される可能性の高い国や地域の例として「北朝鮮近接地域」と盛り込んだ。

緊急チェックシートにもとづく確認で、疑わしい取引が発覚した場合、金融機関は犯罪収益移転防止法に基づき、金融庁に当該取引を届け出る義務がある。

これまで金融庁は、どのようなものが疑わしい取引に当たるのかといった点について、具体的な例を示すことはなく、各金融機関の判断に任せてきた。

しかし、規模の小さい地域金融機関ほど体制が脆弱で、マネロンの標的になりやすいリスクを抱えると、この問題の専門家からは見られていた。

2019年には、マネロン対策などの国際協力を推進する政府間会合、金融活動作業部会(FATF)による第4次対日相互審査が予定されている。金融機関の対応に「甘さがある」と指摘された場合、審査を通過できないリスクも存在する。

金融庁の取り組みもFATF審査の対象になるため、体制が不十分な金融機関の改善を急がなくてはならない事情もある。

19年までに時間的猶予が限られることから、「苦肉の策」(金融庁幹部)として、金融庁は今回、金融機関の窓口担当者でも分かるよう具体例の提示に踏み切った。

金融庁は今年2月、地域金融機関も含め、同庁が所管するすべての金融事業者を対象にマネロン対策のガイドラインを作成。金融機関に取り組みの徹底を求めている。

ただ、ガイドラインの内容は概念的なものが目立ち、「具体的にどのような取引を当局に通報するべきか、判断が難しい」との声が、地域金融機関などから出ていた。

しかし、具体的な例を示した結果、「1000万円以上と区切った場合、900万円台の取引は自動的にチェック対象から落としてもいいのか」といった疑問も浮上。専門家は、地域金融機関が制度の趣旨に沿った判断をせず、形式主義に陥るリスクを指摘している。

今回の対応に対し、金融庁の広報担当者は「コメントを差し控える」と述べた。

全国地方銀行協会は「緊急チェックシートは、会員銀行におけるマネロン対策の実務支援に資するものと考えている」とコメントした。

*内容を追加します。

和田崇彦 編集:田巻一彦

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