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「東京五輪」視野に、じわりリスク資産シフト=17年度・富国生命運用計画
2017年4月18日 / 09:51 / 8ヶ月前

「東京五輪」視野に、じわりリスク資産シフト=17年度・富国生命運用計画

[東京 18日 ロイター] - 富国生命保険の2017年度の一般勘定の運用方針では、じわりとリスク資産にシフトする。過去に投資した高収益資産の「果実」が見込めるため、地政学リスクなど不透明要因が多い中では、無理な利回り追求はしない。だが、高収益資産も2020年ごろに償還のピークを迎える。将来を見据え、社債や高配当株などを今後5年間で5000億円程度積み増す方針だ。

 4月18日、富国生命保険の2017年度の一般勘定の運用方針では、じわりとリスク資産にシフトする。過去に投資した高収益資産の「果実」が見込めるため、地政学リスクなど不透明要因が多い中では、無理な利回り追求はしない。だが、高収益資産も2020年ごろに償還のピークを迎える。写真は都内で2013年4月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

渡部毅彦・財務企画部長が18日、ロイターとのインタビューで述べた。

<迎えた「収穫期」>

富国生命は今、過去の投資の「収穫期」を迎えている。1ドル80─90円まで円高が進んだ2010年以降に、積み増したオープン外債が償還期を迎えているためだ。現在の為替水準からみて20─30円分の為替差益が出るため、しばらく安定した収益が見込めるという。

足元では、世界的な低金利環境が続いているほか、政治リスクや地政学リスクも高い。「これまで流動性を重視した投資をしてきており、流動性も確保できている。今は無理をして利回りを取りに行く局面ではない」と渡部氏は話す。

だが、その「果実」も東京オリンピックごろまでだ。2020年を過ぎると高収益資産の償還は減っていき、足元のマイナス金利の影響が大きくなっていく。そのころまでに国内外の金利が上昇していれば資産運用も楽になるが、定かではない。

このため、今年度から運用の高度化を進めていく方針だ。内外債券の償還金や一般貸付の返済金の再投資先として、社債などクレジット物や、安定配当が期待できる株式などを中心に収益性の高いアセットクラスを今後5年間で5000億円程度積み増す。

<今年度から「種まき」>

今年度の資産残高はほぼ横ばいの見通しであり、償還で戻ってきた資金を再投資するのが基本方針だ。運用計画も大きな金額の投資予定はない。しかし、「余裕のあるうちに、残高ベースの利回り低下に備え、布石を打っていく」(渡部氏)とする。

「種まき」の方向性は、やはりリスク性資産へのシフトだ。

円貨建て公社債は400億円のマイナス計画。3年連続の減少となる。償還資金の一部については金利水準をみながら20年債や30年債など超長期債に再投資するが、20年債で1%程度の利回りが確保できないと投資は厳しいという。

一方、外貨建て公社債は500億円の増加となる。ただ、これまで円金利資産の代替先だった為替ヘッジ付き外債はヘッジコストが上昇。米10年国債利回りで2.2%程度、ヘッジコストが1.5%程度では投資は難しいと渡部氏は話す。

米国が追加利上げすれば短期金利の上昇にともないヘッジコストも押し上げられる見通しだが、足元の米国債市場でみられるように、長期金利が一緒に上がっていくとは限らない。

こうした中、ある程度円高に振れた場面では、オープン外債に投資していく方針だ。「1ドル105円を割り込めば魅力が高まる」(渡部氏)という。米ドル以外も視野に入れているが、欧州には政治リスクや地政学リスクもあり、情勢が不透明な中で無理に投資することはないとしている。

<依然として日本株には慎重>

5年間で5000億円の高収益資産積み増し方針では、株式などエクイティも視野に入っている。ただ、外国株中心で、日本株に対しては依然慎重だ。

渡部氏は「日銀によるETF(上場投資信託)買いで下値不安は乏しい。しかし、日本経済のデフレ脱却など明るい将来が見えたわけではない。割安感が出たとしても、それだけでは長期投資はできない」と述べる。

今年度の外国株は、ESG(環境、社会、企業統治)投資や小型株、テーマ性があるファンド(投信)など安定配当が見込める銘柄に300億円増加の予定だ。一方、国内株は横ばいの計画となっている。

一般貸付は、200億円の減少計画。金利水準が上がらない中で、収益が取れる案件が乏しい状況が続いているという。不動産は横ばいを計画している。

エクイティ資産やオープン外債への投資はリスク係数が高くなるが、同社のソルベンシーマージン(支払い余力)比率は1248.8%(16年12月末)と高く、「十分吸収可能」(渡部氏)だという。

今年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。▼はマイナス。

日本国債10年物利回り ▼0.10―0.15%(年度末▼0.09%)

日本国債20年物利回り 0.40―0.90%(同0.75%)

米10年債利回り    2.30─2.90%(同2.70%)

日経平均        17500─21000円(同20000円)

米ダウ         18500─22000ドル(21300ドル)

ドル/円        100―120円(同115.5円)

ユーロ/円       110―130円(同123円)

伊賀大記 富沢綾衣 編集:青山敦子

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