May 24, 2018 / 5:50 AM / 3 months ago

焦点:為替のボラティリティー復活か、ドル急伸で期待浮上

[ロンドン 23日 ロイター] - ここ1カ月でドル相場が予想外に急上昇したため、トレーダーは外為市場に待望のボラティリティー(大きな相場変動)が戻ってくるのではないかと期待をかけている。ただ、今のところその兆候は乏しい。

 5月23日、ここ1カ月でドル相場が予想外に急上昇したため、トレーダーは外為市場に待望のボラティリティー(大きな相場変動)が戻ってくるのではないかと期待をかけている。写真は米ドル紙幣。シンガポールで昨年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White/Illustration)

ボラティリティーが高まるとトレーダーはもうけの機会が増え、ブローカーは取扱高が膨らみ、国際的な企業や投資家からのヘッジ需要も期待できる。

しかしここ数年、主要国中央銀行が超低金利政策と量的緩和を続けたため、金融政策や国ごとの経済格差が取引の手掛かり材料にならず、大きな為替変動は鳴りを潜めた。

このためヘッジファンドや銀行の外為取引部門の利益は圧迫されている。しかし4月半ば以来、ドルが5%も上昇したことで、一部でボラティリティー復活への期待が芽生えた。

アムンディ・アセット・マネジメントのグローバルFX責任者、アンドレアス・コーニング氏は「為替が息を吹き返しつつある。あと数カ月間は低いボラティリティーを我慢する必要があるだろうが、その時は訪れるだろう」と言う。

しかし今のところ、そうした兆しはほとんど見えない。ボラティリティーの主な指標である日々のスポット価格の動きと、オプション市場のインプライド・ボラティリティーを見ると、前者は比較的高水準を保っているが、後者は2月の急上昇分をすべて失い、2014年以来の低水準に戻りつつある。

トムソン・ロイターやEBSなど複数の情報源を総合すると、第1・四半期には外為取引高が急増したが、銀行の外為取引デスクによるとここ数週間は再び減少に転じている。

足元のドル急伸は、2015年初めと16年末にドルが急上昇してボラティリティが高まった局面と比較されるが、トレーダーは今回ボラティリティーが高まることにはまだ懐疑的だ。

HSBCのFXキャッシュ取引グローバル責任者、リチャード・ビベイ氏は「現段階では、より大きな構造的な上昇の始まりという感じがしない」と述べ、循環的な動きにすぎないとの見方を示した。

足元のドル高は世界経済の構造的シフトというよりも、投機筋が記録的なドルの売り持ちを解消したのが原因であり、一時的な現象に終わるとみる市場関係者は多い。

外為市場を「麻痺」させてきたのは、中銀の非伝統的金融政策だ。JPモルガンは、世界3大中銀が昨年は過去最大の2兆ドルを市場に供給したが、今年の供給はその4分の1程度に減り、来年は差し引きで資金が吸収されると予想する。

BNYメロンのシニアストラテジスト、ニール・メラー氏は「トレーダーは中銀が市場を支えてくれると分かっているので、オプションを売って楽にプレミアムを稼ぎ、為替市場のインプライド・ボラティリティーは低下していた。それが変わり始めるかもしれない」と語った。

(Tommy Wilkes記者 Saikat Chatterjee記者)

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