[杭州(中国) 3日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は3日、長期的な中・高度の経済成長の維持に向けて、中国は改革に注力する必要があるとの見解を示した。杭州で4─5日に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議を前に、経済フォーラムで講演した。
習主席は、G20が経済成長促進のため、金融・財政政策を構造改革と組み合わせる必要があると指摘。孤立主義は世界経済が直面する問題を解決できないと述べた。
習主席は「中・高度の経済成長を維持するため改革に注力しなければならない。躊躇(ちゅうちょ)すれば機会を失うことになる」と強調。「中国は改革の方向性を明確にした。改革への取り組みは前進し、鈍化することはない」と述べた。
鉄鋼・石炭セクターでの過剰生産能力の削減計画は、中国の長期成長と構造調整に基づくものだと説明。「過剰生産能力の削減に向けた中国の取り組みは最も力強く現実的だ」とし、目標を実現させると述べた。
習主席は人民元の国際化を押し進め、資本勘定の開放を徐々に行っていくと表明した。また、世界経済の回復は依然として弱く、G20は貿易と投資を再び活性化させるために対応すべきだと指摘。難民をめぐる危機、気候変動、テロ行為などの課題を挙げた。
このほか、中国は和平の発展に注力しているとし、「強国は覇権を得なければならないという考えは通用せず、意図的な武力行使は何の解決にもつながらない」と述べた。
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