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[ベルリン/ワシントン 23日 ロイター] - 主要7カ国(G7)は26─28日にドイツで開く首脳会議で、ロシアの侵攻と戦うウクライナへの長期的支援と結束を示すことを目指す。戦争による世界経済への影響が広がる中、西側の決意が試されている。
会議ではロシア政府への締め付けをいかに強めるか議論する見通し。ただ、戦争が5カ月目に入る中、世界経済の見通しを一層悪化させかねない制裁には慎重になるとみられる。戦争の影響で既に食料・エネルギー不足が生じ、インフレや飢餓を引き起こしている。
物価上昇は、新型コロナウイルス感染拡大と気候変動で既に苦境にあった南半球の途上国に特に大きな打撃を与えている。
議長国ドイツのショルツ首相は22日の議会演説で、首脳会談では「プーチン(ロシア大統領)の帝国主義との戦いだけでなく、飢餓、貧困、健康危機、気候変動との戦いでも世界の民主主義国が共にある」ことを示さなければならないと強調。西側が南半球の途上国との連帯を示さなければ、ロシアや中国が恩恵を受けることになると警告した。
独政府当局者は中国への対応について、人権を巡る懸念や供給網の問題、同国の対外投資による悪影響などを踏まえた新たなアプローチの模索が会議の大きな柱になると述べた。
米政府高官は22日、G7首脳が低・中所得国に質の高い透明性のある投資手段の選択肢を提供するために新たなインフラ構想を打ち出すと明らかにした。
ショルツ氏はアフリカ連合(AU)議長国のセネガル、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)議長国のアルゼンチンのほか、インド、インドネシア、南アフリカの首脳もパートナー国として招待している。
独当局者は、首脳らがウクライナ復興を支える長期的な金融支援の必要性を協議するとし、「現在の月50億ユーロ(の支援)を大幅に上回る額が検討されている」と述べた。
ショルツ氏は、米国が第2次世界大戦後に欧州の復興を支援した「マーシャルプラン」のような計画が必要だとしている。
27日にはウクライナのゼレンスキー大統領が首脳会議でビデオ演説する。
独当局者によると、G7首脳は二酸化炭素(CO2)の排出に価格を付ける「カーボンプライシング」や他の排出削減策で円滑な調整を図るため「気候クラブ」の設立についても協議する見通し。
悪化しつつある世界経済の見通しも議題となる。経済に打撃をもたらすことなく財政支出を管理することが課題とされる。
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