[ロンドン 5日 ロイター] - 英国のジョンソン首相は5日、2022年末までに全世界で新型コロナウイルスワクチンを接種する決意を表明するよう主要7カ国(G7)首脳会議(G7サミット)で呼び掛ける考えを示した。
G7サミットは英南西部コーンウォールで11日から3日間の日程で、約2年ぶりに対面形式で開かれる。バイデン米大統領にとっては就任後初の外遊となる。
ジョンソン氏は声明で「来年末までに全世界でワクチンを接種すれば、医学史上最も偉大な功績になる」とし、「G7各国指導者に協力を呼び掛け、この悲惨なパンデミック(世界的大流行)を共に終息させ、新型コロナがもたらした惨状を二度と繰り返さないと誓う」考えを示した。
新型コロナワクチンを巡っては、富裕国で接種が進む一方、多くの貧困国は調達に苦慮している。医療専門家は、ワクチンの寄付を拡大しなければ、感染拡大や変異株の発生が続くと警告している。
G7財務相会合でロンドンを訪問中のイエレン米財務長官は、ワクチンを購入できない貧困国での接種を富裕国が早急に促進する必要があると強調した。
また、イエレン氏はワクチンの特許権を放棄すべきという米国の立場を改めて表明。他国の供給確保の障害になっているサプライチェーンの問題に対処するため米国は全力を尽くしていると述べた。
人口6700万人に対し5億回分のワクチンを発注した英国は、余剰分は寄付するとの立場を示している。
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