[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立社会調査センターが21日公表した世論調査によると、英国で公的支出の拡大を目的とする増税を支持する国民が60%となり、15年ぶりの高水準を記録した。政府が過去10年近く取り組んできた財政再建への反動がみられた。
同センターは2017年に実施したヒアリング調査を基に結果を出した。公的支出拡大と増税を支持する割合は2016年は49%、10年は31%だった。
同センターで市民の態度に関する調査の責任者を務めるロジャー・ハーディング氏は「2010年から税金と公的支出の増加を求める人々の割合は2倍近く増えた。国民は明らかに、緊縮策にうんざりしている」と分析した。
与党・保守党の支持者の間でも政府が税金と支出を引き上げるべきとする人の割合が過半数となっており、同センターによると、これは2002年以来のこと。
メイ首相は6月に公共医療サービスへの予算を増やすと表明している。
英政府は財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を2010年時点の約10%から約2%まで削減している。
国立社会調査センターの調査によると、回答者の54%が医療サービス向け支出の拡大が最優先課題としており、これに続く26%が教育を選んだ。
一方、回答者の3分の1は税金と公的支出の水準は据え置くべきだとし、4%が減らすべきとの見方を示した。
調査は昨年7─10月に2963人を対象に実施した。