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英選挙、保守党は過半数割れの見込み:識者はこうみる
2017年6月8日 / 23:08 / 5ヶ月前

英選挙、保守党は過半数割れの見込み:識者はこうみる

[9日 ロイター] - 8日実施された英総選挙(下院、定数650)ではメイ首相率いる与党・保守党は第1党の座を維持する見通しだが、どの政党も過半数に届かない「ハングパーラメント(宙づり議会)」になりそうだ。政治が混迷し、欧州連合(EU)離脱交渉に遅れが生じる可能性も浮上する。

 6月9日、8日実施された英総選挙ではメイ首相(写真)率いる与党・保守党の獲得議席が過半数に届かない公算が高くなっている。写真はロンドンの英議事堂(2017年 ロイター/Hannah McKay)

開票が進む段階で、今回の選挙の影響について語った市場関係者のコメントは以下の通り。

●ポンドは一段安の可能性

<シンガポール銀行の外為ストラテジスト、SIM MOH SIONG氏>

大局的に見て言えるのは、英総選挙を受け、円滑で段階的なハードブレグジットという従来のコンセンサスの見直しが必要かもしれない、ということだ。それは相当なボラティリティーが生じる可能性を意味する。

ポンドが1.20ドルに近づく中、私はポンドは割安であり、買いどきだと捉えている。ただ当面は市場に様子見姿勢が広がり、ポンドが下落しやすい状況が続くだろう。

●「コービン首相」ならポンド安

<マッコーリー銀行(シンガポール)の為替ストラテジスト、ギャレス・ベリー氏>

現時点の試算ではコービン労働党党首が首相になるとは非常に考えにくい。保守党が次期政権の柱を形成する可能性が非常に高い。

万が一コービン氏が首相になった場合、全体的に欧州連合(EU)支持の立場をとる労働党の姿勢に関わらず、労働党政権下での財政政策(および経済政策全般)を巡る懸念からポンドはいずれにしても下落する可能性がある。保守党と自由民主党が連立を組めば穏健なEU離脱(ソフトブレグジット)の実現につながる可能性がそこそこあるが、ブレグジットを巡る両党の見解が相容れないことを考えると、非常に可能性の低い組み合わせだろう。

●ポンド安は行き過ぎ、短期的には反発へ

<FXDDグローバル(ニューヨーク)のシニア通貨コンサルタント、スティーブン・シモニス・シニア氏>

この動きが起きたのがニューヨーク時間の午後5時と、米市場が閉まり流動性が極端に低下した時間帯だったということを認識する必要がある。

保守党が単独過半数に届きそうにないことがポンド安につながるのかは理解できるとしても、この動きは極端だ。ポンド安に拍車が掛かるうちにストップロスを巻き込んだことは明らかだ。

英国にとっては多くの交渉がこの先待ち構えており、テロ攻撃は今後も問題となるだろう。短期的に、ポンド安は行き過ぎのように見え、当社では反発を予想している。より長期的には1ポンド=1.2500ドルへ向けて下落するだろう。

●ソフトブレグジットに傾けばプラス

 6月9日、8日実施された英総選挙ではメイ首相(写真)率いる与党・保守党の獲得議席が過半数に届かない公算が高くなっている。写真は英メイデンヘッドで撮影(2017年 ロイター/Toby Melville)

<アルビオン・フィナンシャル(ソルト・レイク・シティ、米ユタ州)の最高投資責任者(CIO)、ジェイソン・ウェア氏>

ポンドは打撃を受けているが、恐らく先行き不透明感を懸念しての売りだろう。

ブレグジットに関して何らかの変更があるとしたら、よりグローバル志向のソフトブレグジットに変わる可能性がある。それは、どちらかと言えばプラスだ。ブレグジットを決めた昨年の国民投票時には、欧州連合(EU)とユーロ圏との協調が終結し、英国が景気後退(リセッション)入りすることが市場の最大懸念だった。ただ、今回の結果でソフトブレグジット勢力が増え、グローバル志向が高まれば、欧州や英国には好ましく、米資産にもプラスだ。

●市場には最悪の結果、ポンドの悪夢再現も

<オアンダ(ロンドン)のアナリスト、クレイグ・アーラム氏>

どの政党も過半数に届かないハングパーラメント(宙づり議会)は市場にとって最悪の結果だ。

 6月8日、英総選挙(下院、定数650)は実施され、出口調査によると、メイ首相(写真手前)率いる与党・保守党は314議席を獲得し、過半数には届かない見込み。ソニングで撮影(2017年 ロイター/Toby Melville)

欧州連合(EU)離脱交渉を控えて再び不透明感が強まり、英国にとって合意を確保する既に短い時間がさらに削られるからだ。

今後数時間で、出口調査が正確に投票行動を反映していたかどうかが分かる。

実際の結果で確認されれば、ポンドにとっては再び悪夢のような夜になる可能性がある。

●非常にショッキング、ポンドは1.25ドル台へ下落も

<BKアセット・マネジメント(ニューヨーク)のマネジングディレクター、キャシー・リエン氏>

英総選挙の結果は非常にショッキングなもので、為替相場の動きにも見て取れる。この状態は継続するだろう。ポンド/ドルは1.26ドル、または1.25ドルまで下落する可能性は排除できない。ポンドは対ドル以外でも下落しており、非常に顕著だ。

●労働党、SNP・自由民主党との連立あり得る

<ノムラインターナショナルの外為ストラテジスト、ジョーダン・ロチェスター氏>

どの政党も過半数に届かない、ハングパーラメントの圏内だ。前回の総選挙の出口調査と非常に似ているが、実際の選挙結果では保守党が過半数を獲得した。したがって、まだ決まったわけではない。

労働党とスコットランド民族党(SNP)と自由民主党の連立はあり得る。だが、合計議席数から考えて、労働党がこの他の党と組むのは難しい。

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