May 18, 2020 / 1:34 AM / 3 months ago

GDP1-3月期、コロナで連続マイナス成長:識者はこうみる

[東京 18日 ロイター] - 内閣府が18日に発表した2020年1─3月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.9%、年率換算でマイナス3.4%となった。

5月18日、内閣府が18日に発表した2020年1─3月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.9%、年率換算でマイナス3.4%となった。都内で3月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

市場関係者に見方を聞いた。

<ニッセイ基礎研究所 経済調査部長 斎藤太郎氏>

1-3月期のGDPは、マイナスになることは間違いなかった。コンセンサスよりは上振れたが、安心はできない。いつもより特殊なのは、市場の目がもう4-6月期に行っている点だ。4-6月期のGDPはマイナス20%台を予測している。

消費については国内は徐々に持ち直しの動きが見られるだろう。現時点の見立ては4月がボトムで、5月以降に徐々に持ち直すイメージ。だが、コロナショック以前の水準に戻るにはかなり時間かかるだろう。

4月以降にかなり失業者出る可能性が高く、これまで良かった雇用所得環境が崩れる可能性が捨てきれないので、消費が元の水準に戻るのは難しい。

また、これまでけん引していたインバウンドも、以前の水準に戻る可能性はかなり低い。これは世界共通で言えることだがインバウンド需要は当分戻らないだろう。

●設備投資、インバウンド減退を引き続き注視

<SMBC日興証券 チーフマーケットエコノミスト 丸山義正氏>

市場予測ほどは落ち込まなかったが、新型コロナウイルスの影響は4月以降に本格的に表れるので、下押し圧力は続くだろう。1-3月期が予測より上振れたからといって、安心はできない。4-6月期にさらに落ち込むという方向性は変わらない。

今後をみる上ではサービス消費、設備投資、輸出がポイント。1-3月期は全般的に悪いので、その姿が4-6月期も引き継がれ、どの項目でもマイナス幅はさらに拡大するだろう。設備投資は1-3月期ではそこまで落ち込んでいないが、世界経済の不透明感から4-6月期はさらに落ち込む見込み。中小企業だけでなく大企業でも資金繰りが問題になっているので、設備投資は最初に絞る項目になるだろう。

輸出は海外経済の動向も重要になってくる。特に、輸出の項目に入るインバウンドは、引き続き下押し圧力となるだろう。

二次感染の状況次第だが、抑えられていた消費は少なからず戻ってくるだろう。4-6月期がボトムで、7-9月期は持ち直すのは確実。だが、生活様式が変わる点や、不透明感は消えない点を踏まえると、成長率は鈍化する。「V字」の半分までいき、その後緩やかに伸びていくイメージ。だが、年内に水準がコロナ前に戻る可能性は低いだろう。

政府の経済対策は、これまでは企業の資金繰り支援や給付などが中心だったが、第3次補正は確実に必要。そこで景気刺激策がなされる必要があるのではないだろうか。

●先行き楽観要素ゼロ、回復イメージは「レ点」

<大和総研 シニアエコノミスト 小林俊介氏>

市場コンセンサスではマイナス5%半ば程度だったが、今回は予測よりは悪化しなかった。3月分の統計で含まれていないものがあったことや、市場が低く見積もりすぎたことがその要因だろう。ただ、2次速報のときはさらに悪い数字になるかもしれないという点には注意しなければならない。

先行きを楽観できる要素は一つもない。仮に緊急事態宣言が5月いっぱいで全面的に解除されても、4─5月の輸出や消費は一段と減少する。4─6月期GDPはさらに落ち込み、マイナス15%以上になるだろう。

すでに緊急事態宣言は4─6月の1.5カ月分に及んでおり、旅客、娯楽、外食が悪い数字が出るのは確実。残り半分は解除される可能性が高いので底入れはするだろうが、今解除されていない8都府県のGDPに占める割合は5割程度に上る。仮に感染第2波が起きて8都府県での緊急事態宣言が延長されれば、経済への打撃は大きい。

7─9月期のV字回復は間違いなく難しい。サービス消費の復調にはかなり時間がかかる上、現時点では失業率がかなり高いわけではないが、雇用環境への懸念も多い。1)消費性向の低下、2)設備投資の停滞、3)輸出の落ち込み──の3点が引き続き懸念される。

以上を踏まえると、回復イメージは「L字」とまではいかないが、ナイキの「レ点」のようなマークをイメージした形になるのではないだろうか。ただ、これは10─12月期にまたコロナが来ないという前提の話。第2波や、欧州でみられているさらに感染性の高いウイルスの伝播の可能性など、引き続き日本経済への懸念は残る。

●株式市場ではバックミラーの存在に

<東海東京調査センター シニアストラテジスト 中村貴司氏>

マクロ経済の1─3月期の統計資料は総じて悪いことは織り込み済みとなっているため、株価への反応は鈍かった。きょうのところは、WTI原油先物の1バレル=30ドル台回復など、先行きの経済回復を見込むような材料を評価する動きとなっており、GDPは株式市場にとってバックミラーのような存在になったと言える。GDPを材料に株価が下落することがなかったため、今後も回復を買う動きが継続するだろう。

おそらく、日々の経済状況をみて4─6月期のGDPに関しても、悪化するということは織り込み済みという感触だ。「株価は半年先を読む」というが、それを如実に示した動きとなり、今後のリスク要因としては、新型コロナウイルスの感染第2波や、ポストコロナの材料になるとみられる米中対立などに関心が移って行くとみられる。

●4―6月期の大幅なマイナス避けられず

<大和証券・チーフマーケットエコノミスト 岩下真理氏>

1-3月期のGDPは予想を下回るマイナス幅にとどまった。消費と設備投資のマイナス幅が予想よりも大きくなかったことが要因。今回から推計方法が変更されたこともあり、そこまで落ち込み幅が大きくならなかったのだろう。月次データを見る限り、3月のデータの落ち込みが目立つことから、4―6月期のGDPが大幅なマイナスの落ち込みになることは避けられないだろう。7-9月期でいったん下げ止まると予想している。

第2次補正予算に絡む財政支出としては、第1次補正予算時に十分にできなかったことに的を絞る形で、だいたい10兆円規模になるとみている。前回は中短期ゾーンを中心に国債が増発されたが、今回は長いゾーンの増発が意識されやすい。ただ、日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)により、金利がすぐに上昇するということは考えにくいだろう。

*内容を追加しました。

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