[フランクフルト/ロンドン 25日 ロイター] - ドイツの金融規制当局が20を超える海外銀行との会合を30日に開催し、銀行がフランクフルトへ業務の一部を移す際に満たすべき条件などについて詳しく説明することが分かった。こうした会合がドイツで開催されるのは初めて。事情に詳しい関係筋が明らかにした。
フランクフルトは英国の欧州連合(EU)離脱後を見据え、ロンドンからの企業誘致を加速させる構えだ。
会合は英国がEU離脱の手続きの準備を進める中、移転に関するより詳細な情報を求める銀行側のニーズに対応し、独連邦金融サービス監督庁(Bafin)が主催する。
関係者の1人は「Bafinは、ドイツに事業を移すことを望む企業に対し、問題となる主要な点について全体像を示したいと考えている」と説明した。
複数の関係者によると、Bafinは「郵便受け」だけを設けるような業務移転は認めないとし、銀行側はリスク管理に関し大幅な修正に応じなければならず、上級役員がフランクフルトに常駐しなければならないことなどを明示する見通しだという。
別の関係者によると、会合にはドイツ連邦銀行(中央銀行)や欧州中央銀行(ECB)の幹部も参加。政府方針に詳しい関係者は、会合には幹部40人程度が参加するとした。ロンドンからの銀行誘致を目指すフランクフルトに対し、ショイブレ財務相が慎重に支援に乗り出すタイミングでの会合開催になるという。
会合はフランクフルトにあるBafinのオフィスで開催され、モルガン・スタンレーMS.Nやゴールドマン・サックスGS.N、シティグループC.Nなどの主に規制担当の経営幹部が参加する見込みだ。
Bafinは、会合開催に関しては認めたものの、詳細は明らかにしなかった。
ドイツの経済力やフランクフルトにはECBの本部があることなどが、海外銀行にとって魅力となる。ただ、住宅不足やインターナショナル・スクールへの申し込みが既に高水準なことなどが、生活面で障害となる可能性がある。
市中心部にあるバーの多くが週の大半閑散としていることも、仕事が終わった後のナイトライフが充実したロンドンのバンカーにとっては、移転に気持ちをそがれる要因になるかもしれない。
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