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焦点:「シュルツ効果」の力不足露呈、ドイツ総選挙の前哨戦で
March 28, 2017 / 4:36 AM / 9 months ago

焦点:「シュルツ効果」の力不足露呈、ドイツ総選挙の前哨戦で

[ベルリン 26日 ロイター] - 26日に投開票されたドイツ西部ザールラント州議会選で、中道左派、社会民主党(SPD)がメルケル首相率いる保守、キリスト教民主同盟(CDU)に敗れた。前欧州議会議長のシュルツ氏を新党首に迎えたSPDは、9月のドイツ連邦議会(下院)選を占う最初の試験に落第した格好だ。

 3月26日、シュルツ氏(写真)が1月に党首に就いて以来、社会民主党(SPD)の支持率は大きく回復し、「シュルツ効果」が騒がれているが、ドイツ西部ザールラント州議会選でメルケル首相率いる保守、キリスト教民主同盟(CDU)に敗れた。ベルリンで27日撮影(2017年 ロイター/Hannibal Hanschke)

シュルツ氏が1月に党首に就いて以来、SPDの支持率は大きく回復し、「シュルツ効果」が騒がれている。州議会選後の27日、南ドイツ新聞は社説で「シュルツ騒ぎに冷や水」と書いた。

SPDは極左の左派党および緑の党と「赤・赤・緑」連合を組む可能性を示してザールラント州議会選に臨んだが、有権者は極左が政権入りすることに警戒感を抱いた。

SPDと左派党はともに2012年の選挙から得票を減らし、緑の党の得票率は議席確保の最低条件である5%にも満たなかった。

SPDは9月の連邦議会選でも同様の左派連合を組み、メルケル氏を政権の座から追い払う構想を描いているが、出鼻をくじかれた格好だ。ただ、今回の選挙を単純に国政選挙に当てはめて考えるのは無理があるかもしれない。

ザールラント州の有権者数はわずか80万人。CDU側には、「ザールのメルケル」との異名を持つクランプ=カレンバウアー州首相という強力な候補者もいた。

ベルリン自由大学の政治科学者、ハジョ・フンケ氏は、州首相の素晴らしさがシュルツ効果を抑制したが、効果が消えたわけではないと指摘した。

また旧西ドイツ地域と異なり、旧東ドイツ地域の有権者は左派党への拒否反応が小さい。

シュルツ氏は、ザールラント州議会選は特別なケースだと指摘。「国全体について州議会選から導き出せることには限界がある」と述べ、連邦議会選で左派党と組む可能性に含みを残した。

5月には北部のシュレスウィヒ・ホルシュタイン州と、人口の多い西部ノルトライン・ウェストファーレン州でも選挙が控えており、SPDに挽回のチャンスが残されている。世論調査では両州ともSPDがリードしている。

<左傾化>

SPDは今回の選挙で、シュルツ氏の求心力がまだ不十分であることを思い知らされた。

シュルツ氏は、社会正義を掲げて不満を抱く労働者層の支持獲得を目指してきた。メルケル政権下でドイツは強い経済成長と雇用の伸びを享受したが、経済格差も拡大した。

有権者は格差の拡大を感じながらも、南欧諸国が高失業率に喘ぎ、隣国フランスの景気がドイツに比べて見劣りする中で、現在の経済的安定を失いたくないとも考えている。

ベルリン自由大学のフンケ氏は「シュルツ氏は問題を指摘し、育児や教育を無償化すると訴えている。ただ経済・社会問題に関してはCDUは近隣諸国よりずっと良好だと胸を張ることができる」と述べた。

シュルツ氏の課題は、左傾化し過ぎないことを有権者に納得させることだ。22日に公表された世論調査によると、有権者の59%が政権指導部の変化を望むと答えており、今とは別の連立を求めている可能性がある。ただ、「赤・赤・緑」連合を支持するとの回答は19%にとどまった。

(Paul Carrel記者)

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