April 9, 2019 / 7:16 AM / 2 months ago

ゴーン日産前会長「事件でなく陰謀」 現経営陣には「うんざり」=動画公開

[東京 9日 ロイター] - 日産自動車(7201.T)のカルロス・ゴーン前会長の弁護人が9日、日本外国特派員協会で会見を開き、前会長が一連の事件に関して自らの主張をまとめた動画を公開した。ゴーン前会長は、今回の事件は仏自動車大手ルノー(RENA.PA)との経営統合に「恐れ」を抱いた日産経営陣による「陰謀だ」と強く訴えた。

 4月9日、日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の弁護人が、日本外国特派員協会で会見を開き、前会長自らが一連の事件に関して訴えた動画を公開した。ゴーン前会長は動画で「今回のことは単に事件ではなく、陰謀である」と述べた。写真は動画の中で自らの主張を訴えるゴーン前会長(2019年 ロイター/Issei Kato)

<「数名の幹部が汚いたくらみを実現」>

動画は7分37秒で、ゴーン前会長が4日に会社法違反(特別背任)容疑で東京地検特捜部から再逮捕される前に英語で収録された。

ゴーン前会長はまず、「すべての嫌疑について私は無実だ。108日間という期間を拘置所で過ごしたにもかかわらず、私は常に無実であるという一貫した立場だ」と主張。嫌疑がかかった後に浴びせられている非難は「私を強欲で独裁的な人物として塗り固めるためになされたものだ」と語った。

そのうえで、今起きていることは単なる「事件」ではなく、日産の現経営陣による「陰謀」「謀略」「中傷」だと強調。検討されていたルノーとの経営統合に対し、社内の一部の人たちが「日産の独立性を脅かすかもしれないと恐れた」ことから起きたと説明し、「明らかに自分たちの利益のため、自分勝手な恐れを抱いた」数名の幹部が「汚いたくらみを実現させるべく仕掛けた」と主張した。

<リーダーシップは「独裁」ではない>

また、ここ数年の業績不振の原因は「現経営陣に問題があった」とし、現経営陣は「あれはしない、これはしないと言って、同時に今後何をするかも言わず、未来のビジョンもない」と指摘。「アライアンスの将来をより強化するためのビジョンもなく、自らを誇っている現経営幹部たちには本当にうんざりさせられる」と痛烈に批判した。日産の業績が低下していることを「心配している」とも語った。

ルノー、三菱自動車(7211.T)との3社連合が新たに設置した合議制による意思決定機関を意識してか、「テーブルを囲んでコンセンサスで意思決定をしていくということは、自動車業界ほど競争の激しい産業においては何らのビジョンをも生み出さない」とも批判。「私たち(アライアンス)の役割を明確にする必要があり、リーダーシップを発揮しなくてはいけない」などと持論を展開。「これは『独裁』などではない」とした。

裁判のあり方にも批判が及んだ。ゴーン前会長は「裁判の公正性について、安心材料を提供してもらえていない」と述べ、「公正な裁判を受けること」を最も強く望み、「裁判で無実を証明したいと切に願っている」と述べた。

動画では、当初は「陰謀」を企てたとする幹部の実名が明らかにされていたが、弁護団の判断で削除したという。その理由について、弘中弁護士は「実名を列挙することは法律的にリスクが伴う」と説明した。ゴーン前会長も納得して動画からの実名削除に応じたという。

弘中弁護士によると、「検察の妨害により11日に予定していた会見ができなくなることを懸念」し、再逮捕前に動画を収録した。このため、再逮捕容疑となっているオマーンルート事件については、ゴーン前会長は動画の中で触れていない。

<10日に最高裁へ特別抗告>

動画公開後に弘中弁護士は、今回の検察側の再逮捕について「保釈中の人の再逮捕はまれなうえ、罪証隠滅の恐れは具体的でなければいけない」とあらためて指摘。「ゴーン前会長に不当な圧力をかけ、屈服させることを目的にしたもの」と強く批判し、「10日に最高裁に特別抗告する」と語った。

勾留中のゴーン前会長に対しては、尋問の際に「黙秘するようアドバイスした」ことを明らかにした。フランスに出国したゴーン前会長の妻は「証人喚問に応じる予定」とした。

保釈時の条件としてゴーン前会長の住居の玄関には監視カメラが設置されたが、弘中弁護士によると、そのカメラも東京地検に押収されたという。そのカメラも含め、裁判資料など「海外の弁護士とも連名で、押収物を返却してもらうよう抗議した」と話した。

Slideshow (2 Images)

ゴーン容疑者は4日、友人が経営するオマーンの販売代理店を通じて、日産子会社の資金の一部を私的流用した特別背任容疑で再逮捕された。ゴーン前会長の逮捕は4回目。

ゴーン前会長は昨年11月、自らの役員報酬を有価証券報告書に少なく記載したとして金融商品取引法違反容疑で逮捕され、その後、同法違反容疑と会社法違反(特別背任)の容疑で計2回、再逮捕された。起訴後、ゴーン被告は今年3月6日に保釈された。

*内容を追加しました。

白木真紀 編集:田巻一彦

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