[ワシントン 15日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)のシーラ・ベアー前総裁は15日、破綻したシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー・バンクの預金を保護した後も、当局は小規模銀行や地銀からの資金流出を食い止めるために国内の全ての預金を一時的に保証することが必要になる可能性があると指摘した。
2008─09年の金融危機時に多くの銀行閉鎖を監督したベアー氏は、SVBとシグネチャーに対する「単発」の預金保護を受けて、他の地銀預金者が安全性への懸念から、より規模の大きい金融機関に資金を移しているとロイターのインタビューで語った。
「私が今一番恐れているのは、銀行システムに対する信頼の欠如が定着し、保険対象外の預金があらゆる規模の銀行から最大手行に流れ始め、これらの銀行を再びさらに大きくしてしまうことだ。そして、健全な銀行が預金基盤の不安定化により経営難に陥ることだ」と述べた。
こうした状況が続くようであれば、FDICと米財務省は、保険に加入していない全ての預金と取引口座を保証する権限を議会に求めるべきだとした。
ロイターが確認した当局への提出書類やFDICのデータによると、米中堅銀行のファースト・リパブリックは預金全体の68%に相当する1195億ドルが保険対象外だ。
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