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中銀の気候変動関与に慎重意見も、国際シンポで見解に温度差

[ストックホルム 10日 ロイター] - スウェーデン中央銀行が10日開催した国際シンポジウムで、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長など一部の中銀首脳は、中銀がインフレ抑制に加え気候変動対策にも取り組むよう期待されることに懸念を表明した。

 スウェーデン中央銀行が10日開催した国際シンポジウムで、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長(写真)など一部の中銀首脳は、中銀がインフレ抑制に加え気候変動対策にも取り組むよう期待されることに懸念を表明した。提供写真(2023年 ロイター/TT News Agency/Claudio Bresciani)

パウエル氏はFRBが政治から距離を置く必要性を強調。「自らの責務に専念」し、「付与された目標や権限と密接に関連しない社会的利益を追求するために軌道から外れるべきではない」と指摘した。

FRBには金融機関が気候変動から直面するリスクを「適切に管理する」ことを確実にするという「限られた」監督権限があるとしつつも、「われわれは気候変動に関する政策担当者ではなく、そうなるつもりもない」と言明した。

イングランド銀行(英中央銀行)のキング元総裁もパウエル氏と同様の見解を示し、「気候変動に対処できる人は他にたくさんいる。人々が善行に熱心になるあまり中銀の独立性を危険にさらしているのではないかと懸念している」と述べた。

ただ、シンポジウムに参加した中銀首脳・幹部の間でこのような意見は少数派にとどまった。多数派は環境に対して何らかの義務を負っているとの認識を以前から示しており、実際に行動を取っている中銀も多くある。

<引き締めは先延ばしの言い訳にならず>

欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は、ECBの債券保有を活用するなどして、金融政策をより環境配慮型にする取り組みを加速すべきと表明。「金融環境の引き締まりを、グリーン移行をさらに先送りする言い訳にすれば誤解を招く」とした。

ただECB理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は、気候変動対策は政府が担うべき責務で、ユーロ圏の中銀が他の主体の行動力不足を補うべきではないと強調。「グリーン移行の資金支援でECBが役割を果たすべきと言うことによって、ECBの役割について誤解を深めることになる」とした。

気候変動対応オペを実施している日本銀行の黒田東彦総裁も、気候変動対応に向けて中銀が取る措置は権限の範囲内で市場の中立性を損なわないよう慎重に調整する必要があるとの見解を示した。

一方、 シンガポール金融管理局(MAS、中銀)のラビ・メノン長官は、中銀がリスクに注目するだけでなく、経済活動による排出量削減のためにもっと多くの役割を果たすべきだと訴えた。

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